もう1年、認知度は9割なのにプレミアムフライデーが不発だった理由

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 毎月最終金曜日に退社時間を早めて消費喚起を狙う「プレミアムフライデー」が始まって1年。商業施設や飲食店はイベントやキャンペーンを実施するなど、個人客の取り込みを図ったが、十分な成果は上がっていない。働き方改革との連携に関しても産業界は試行錯誤している。

 「小売りの消費につながった度合いは期待ほどではない」。日本百貨店協会の山崎茂樹専務理事は、こう総括する。開始当初は早帰りした会社員らをターゲットに見込んでいたが、実際は主婦の来店が増えるといったミスマッチもあったという。

 総合スーパーマーケット(GMS)などが加盟する日本チェーンストア協会の井上淳専務理事も「開始当初から、(過度に)期待するのは違うと感じていた」と話す。プレミアムフライデーの趣旨には賛同しつつも、GMSは日常消費がメーンであまり影響がないと見るためだ。

 小売業やサービス業各社は、増加傾向にある訪日外国人消費に目を向けている。プレミアムフライデーは秋口以降、企業首脳から話題に上ることは少なくなっていた。

 働き方改革との連動も中途半端な状態だ。もともと月末の金曜日は、業績集計などで多忙な企業や業界が多い。経済産業省や経済団体などで組織するプレミアムフライデー推進協議会は、開始から8カ月後の2017年10月には、「月末金曜」「15時」の早帰りにこだわらない方向を示した。

 また同協議会は、18年3月については、年度末で定時退社を含めた早帰りが難しい場合に向け、別の日への振り替えを推奨している。一方、消費喚起に向けたイベントは給料日後が効果的だとして、引き続き月末金曜に実施する方針だ。

 早帰りができたとしても、遊びや買い物に充てられるお金がないとの指摘もある。日本チェーンストア協会の井上専務理事は「消費喚起のためには各家庭の可処分所得を増やすことが大事」と話し、所得税減税や社会保険料の軽減を提案する。