洋上風力の電力損失を半減するSiCパワー半導体

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 三菱電機は、直流の電気を3・3キロボルトの高電圧で送電できる炭化ケイ素(SiC)パワー半導体を採用した変換器を開発した。変換途中で失われる電気を従来のシリコン型変換器に比べて半減しており、発電しても無駄となる電気を減らせる。6・5キロボルトへ高圧化して実用化し、2020年代後半には洋上風力発電所への採用を目指す。

 SiCパワー半導体の適用により、電気を変換するスイッチングを350ヘルツに高周波化し、小型化もした。体積はシリコン製に比べ21%小さい420ミリ×930ミリ×530ミリメートル。小型変換器を何台も並べて1基の機能にする多段構成で使う。

 直流送電は変換器を2カ所に設置し、間を高圧電力ケーブルで結ぶ。洋上風力の場合、海上側の変換器で風力発電がつくった交流の電気を直流に変え、ケーブルを使って送電。陸上側の変換器は直流で受け、交流に戻して電力網に送る。

 送電距離が長いほど直流方式は交流よりも設備コストが安くなる。洋上風力が普及する海外で高圧直流送電が始まっている。だが、交流―直流の変換を繰り返すたびに損失が発生し、発電した電気が減っていた。