働く女性にとっての“オフィスのトイレ”とは、どんな空間でしょうか?男性職員がおらず、個室に入ればプライベート空間が確保できる。そんなホッとする空間として考えている女性たちは多いのではないでしょうか?

そこで今回は「株式会社LIXIL」による「オフィストイレにおける意識調査」の結果をもとに、女性にとってのトイレ観を考えてみます。

ビジネスパーソンの3割はトイレでネットを見ていた!

まず同調査では男性と女性それぞれに「オフィスのトイレをリフレッシュやコミュニケーションの場として使用していますか?」と質問。すると男性で利用しているのは28%に対し、女性は半数近くとなる48%が「利用している」と回答しています。

では具体的に、人はトイレで用を足す以外にどんなことをしているのでしょうか?その結果は次の通りです。

トイレで用を足す以外にしていること

1位 身だしなみのチェック……57%

2位 手を洗う……47%

3位 歯磨き……44%

4位 化粧直し……35%

5位 インターネットの閲覧……31%

6位 メール・SNSの閲覧・返信……22%

7位 着替え……19%

8位 気分転換……18%

9位 ストレッチ・体操……16%

10位 コンタクトのつけ外し……12%

1位から4位、そして10位は個室ではなく、おそらく鏡があるトイレの手洗い場で行なわれていること。それ以外は、人目につかない個室で便座に座りながら行なっていることではないでしょうか?その内容は7位の「着替え」以外だと、完全に休憩している状態です。

女性が個室で仮眠がとれる空間も、トイレくらいしかありません……。

しかし裏を返すと日本のオフィスで社員が人目につかずに休憩できるのは、トイレくらいしかないという現実もあります。もちろんオフィスによってはデスクごとにパーテーションで区切られるなど、個室スペースが確保できているところもあるでしょう。しかし日本のオフィスはやはりオープンなオフィスが主流。つねに人に囲まれている状態なので、1人になりたければトイレに行くしかないのです。

オフィスのトイレを重視する意識は、5年前から飛躍的に上昇中!

そんな現状だからこそ男女限らずビジネスパーソンにとって、オフィス環境におけるトイレはとても重要な場所。同調査によると、「オフィス環境で重視していることは?」という質問に「トイレ」と答えた人は85%にも上ったそうです。そのほかの回答は以下の通り。

オフィス環境で重視していることは?

1位 トイレ……85%

2位 空調……84%

3位 行き届いた清掃……65%

4位 セキュリティ……58%

4位 災害時の安全性……58%

6位 エレベーター……48%

7位 ビルの外観……38%

8位 給湯室……24%

9位 他に入居している企業……14%

「トイレ」が「空調」(84%)よりわずかに上回り1位に!さらにLIXILでは同じ調査を2012年にも実施していますが、当時のデータと比較すると、面白い傾向がみえてきます。

オフィス環境で重視していることは?(2012年)

1位 空調……66%

2位 トイレ……60%

3位 行き届いた清掃……65%

4位 セキュリティ……50%

4位 災害時の安全性……49%

6位 エレベーター……28%

7位 ビルの外観……19%

8位 給湯室……19%

9位 他に入居している企業……8%

すべての項目の割合が最新より下回っており、当時は今よりオフィス環境に対する期待感がそれほど高くなかったことが分かります。中でも「トイレ」は2012年より25%大幅増!トイレに対する重要度が、かなり高まっているといえるのです。

とはいえトイレはあくまで「用を足す場所」であることも事実。快適な環境で用を足すのは確かにいいことですが、リフレッシュ目的としての快適さを求めるのは少々疑問も感じます。トレイでわざわざリフレッシュをしなくて済むよう、オフィスにおいて適度にリフレッシュできる環境の改善が求められているのではないでしょうか?

【調査概要】
調査媒体:株式会社LIXIL
調査年:2017