ここ数年、ただ体重を減らすだけではなく、筋肉をつけたり、代謝を上げたりすることへの重要性が意識されるようになりました。女性でも筋トレをする人が増え、インスタグラムには「♯腹筋女子」のハッシュタグがついた投稿が多く見られるまでに。
この、いわば筋肉ブームで、食事においては、体の材料になるタンパク質の大切さが認識されつつあります。

「タンパク質は、美しい髪の毛や肌、骨の材料でもあります。きちんとタンパク質がとれているかどうか、改めてチェックしてみませんか?」
そうアドバイスするのは、管理栄養士の亰須薫さん。日常に取り入れたいタンパク質のとり方について伺いました。


主食や加工肉ばかり食べている人は要注意!バランスよく食べてタンパク質をとろう

タンパク質が多く含まれる食べ物は、肉、魚、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、卵といった食べ物グループです。
1日に必要なタンパク質の目安量は、成人女性で50gとされています。自分が十分にタンパク質をとれているかどうか意識してみましょう。まずは1回分の食事で、これらの食品がとれているかチェックしてください。おにぎりだけ、パンとカフェラテだけ…といったメニューでは、タンパク質がたりない可能性大ですよ。

次に、もう少し細かく、食品100g中に含まれるタンパク質の量を見てみましょう。こちらは食品名、エネルギー(kcal)、タンパク質(g)を表した表です。()内は、摂取しやすい重さでの数値です。
※出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

●肉・肉加工品

・鶏ムネ肉(皮つき)……145kcal 21.3g
・豚モモ肉……183kcal 20.5g
・牛モモ肉……209kcal 19.5g
・豚ロース肉……263kcal 19.3g
・鶏モモ肉(皮つき)……204kcal 16.6g
・牛バラ肉……426cal 12.8g
・ボンレスハム……118kcal 18.7g(60g 4枚 71kcal 11.2g)
・ウインナーソーセージ……321kcal 13.2g(60g 3本 193kcal 7.9g)
・ベーコン……405kcal 12.9g(20g 大1枚 81kcal 2.6g)

●魚・魚加工品

・カツオ(春獲り)……114kcal 25.8g
・鮭……133kcal 22.3g
・マグロ赤身……93kcal 21.6g
・サバ……247kcal 20.6g
・マダイ……142kcal 20.6g
・アジ……126kcal 19.7g
・真イワシ……169kcal 19.2g
・エビ……82kcal 18.4g
・スルメイカ……83kcal 17.9g
・サンマ……297kcal 17.6g
・ツナフレーク……293kcal 18.8g(80g 1缶 234kcal 15.4g)

●大豆製品

・糸引き納豆……200kcal 16.5g(50g 大1パック 100kcal 8.3g)
・木綿豆腐……1/3丁 72kcal 6.6g
・絹ごし豆腐……1/3丁 56kcal 4.9g

●牛乳・乳製品

・普通牛乳……67kcal 3.3g(210g 1カップ 141kcal 6.9g)
・プロセスチーズ……339cal 22.7g(17g スライス1枚 58kcal 3.9g)
・ヨーグルトプレーン……62kcal 3.6g(80g 丸カップ1個 50kcal 2.9g)

●卵

・鶏卵……151kcal 12.3g(50g 1個 76kcal 6.2g)

牛バラ肉やベーコンはカロリーのわりにタンパク質が少なめ

この表を見ると、お肉のなかでは、牛バラ肉はエネルギー量が多い反面、タンパク質が少ないことがわかります。
さらにソーセージやベーコンも、じつはタンパク質が少ないのです。しかもこれらの加工肉は脂質が多い特徴があるので、健康に気をつけるなら、比較的脂質が少ないショルダーベーコンや、ボンレスハムに変えてみるのもひとつの方法です。

また卵や大豆製品、乳製品などもタンパク質量は多くないので、1品だけ食べるのではなく、卵と納豆、卵と牛乳など、2種類を組み合わせてみましょう。1食分にとりたいタンパク質量に近づきます。
さらに食べ物を組み合わせることは、体の中で使いやすい、効率のよいタンパク質のとり方に。組み合わせてとることはメリットが多いのです。

もちろん、このような食べ物も多くとり過ぎたり、脂質が多いものに偏ったりすると、体重や体脂肪が増えることにつながります。定期的に体重を測ったり、洋服のサイズを確認したりなどしながら、食べ物の量や選び方を調整しましょう。

さて、あなたのタンパク質のとり方はいかがでしたか? きちんととれていた人はこの調子で続けましょう。多すぎる、少なすぎるという方は、表を参考にしながら食事を改善してみては。
タンパク質は免疫力や代謝をアップするためにも必要です。毎日を元気に過ごすために、食事を整えてみてくださいね。

●教えてくれた人
【亰須薫さん】
管理栄養士。フィットネスクラブにて勤務したのち、メタボ予防・改善プログラム(特定保健指導)に携わる。現在は八王子にある『おそうざい・おべんとう ユタカ』店主。自治体や企業での健康教室講師も行う