呉第二工場の航空機エンジン部品の生産ライン

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 穏やかな瀬戸内海を望む広島県呉市。戦艦「大和」を建造した旧呉海軍工廠に、IHIの呉第二工場は立地する。同地の一部は現在、航空機用ジェットエンジン部品の主要製造拠点となっている。

 1980年代からエンジン部品の生産を開始。ディスク(皿状の回転体)やシャフト(筒状の回転体)、ファンフレーム(静止構造体)などを手がける。タービンの回転率をファンや圧縮機に伝えるシャフトは、世界の大型エンジン向けの80%を同工場で製造する。

 大型向けのシャフトの長さは3メートルに及ぶ。森田昭彦工場長は「筒状にする内径加工など、卓越した技術力が競争力の源泉だ」と力を込める。

 米ボーイングの次世代大型機「777X」向け「GE9X」エンジンなど、新エンジン向けの製造を控え「仕事量は20年度まで年15%増える」(森田工場長)という。

 求められているのが、増産対応とコストダウンの両立。二つの命題を解く切り札が、IoT(モノのインターネット)を軸とした情報通信技術(ICT)を活用した独自システム。サプライチェーンを含めモノづくりのスマート化に取り組む。

 足元では工数や品質の改善に加え、生産技術や生産管理など、事務技術系の業務改善に力を入れる。生産系の基幹システムを刷新し、試験運用をスタート。18年度に本格稼働する。スタッフ間のバラつきをなくし「業務品質を安定させ、進捗(しんちょく)をタイムリーに確認する」(同)狙い。

 工程設計や数値制御(NC)プログラム作成、設備管理や品質管理などを工程順に20項目以上に分け、システム上で進捗を管理。遅延する工程を色分けで表示し、進捗が一目で分かるようにした。