地方空港に利用を提案する低層風情報提供システム

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 ソニック(東京都立川市、鈴木敏夫社長)は、空港滑走路上空で航空機の離着の妨げとなる急な風の変化を監視する低層風情報提供システム「SOLWIN」を開発した。従来の監視システムに比べ費用を約10分の1に抑え、地方空港が導入しやすくする。国際協力機構(JICA)や商社を通じ、アジアなど海外の空港への提案も進める。消費税抜きの価格は4000万―5000万円。5年以内に年間売上高6億円を目指す。

 SOLWINは、音波が空気の密度に対応して屈折や反射することを応用し、音波の反射波を受信して大気の成層状態を測定、上空の風向や風速を監視する。インターネットのウェブ画面を介し、情報をパイロットに提供する。設置位置から高度約100メートルまでの低層風の情報を1分単位で更新する。パイロットはその他の航空機システムと併用し、着陸の安全性や快適性、就航率の改善につなげる。

 ソニックは2012年に低層ウィンドシア監視装置を開発。15年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)のオープンラボ制度を利用し、SOLWINを共同開発した。17年3月から1年間、大分空港(大分県国東市)で実証評価を実施。実証評価のアンケートによるとSOLWINの情報が有効と評価され、90%以上のパイロットが実用化を希望しているという。ソニックの伊藤芳樹取締役は「飛行機事故の多くは離着陸時の風に起因する。パイロットが冷や汗をかく着陸を少しでも減らしたい」としている。実証実験は8月から1年間、鳥取砂丘コナン空港(鳥取市)でも行う。

 これまで成田空港や羽田空港などの大規模空港では、数億円規模の監視システムが稼働するが、整備費用の問題で地方空港の導入は進まない。国内には離着陸時に低層風の影響を受けやすい空港が多く、着陸復行や引き返しなどで就航率低下の要因になっている。