「部長だけ」を1フロアに集める効用とは?

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視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

「分ける」ことは「分かる」こと

 近年、AIが格段に進歩した最大の理由は、「ディープラーニング(深層学習)」の採用だろう。人間の脳神経回路を模したニューラルネットワークにより、データから自動的に特徴を抽出して記憶する機械学習手法のことだ。

 人間は、道端で小動物を見かけたときに、それが犬か猫かを、よほど紛らわしくないかぎり瞬時に区別できる。それは、過去に犬や猫の特徴を学習しているからだ。

 ディープラーニングを導入したAIは、そうした学習を自ら行う。たとえば、たくさんの犬や猫の画像を取り込んで、それぞれの特徴を学習していくことで、新たに見せられた画像に写っているものが「猫である」と正しく答えられるようになる。

 ディープラーニングは、基本的には物事の「分け方」を自動学習しているともいえる。AIが人間に近づいた証左として挙げられるさまざまな実験も、ディープラーニングの性能を示すものであることが多い。

 有名な囲碁AI「アルファ碁」が人間のプロ棋士を打ち負かしたのも、ディープラーニングによるところが大きい。アルファ碁はディープラーニングで、過去の囲碁のあらゆる局面を画像認識し、勝利につながる打ち手と、そうでないものを自ら「分けて」学習した。その結果、勝てる打ち手を局面に応じて選べるようになった。

 ところで「分かる」という言葉は「分ける」に由来していて、もともと「物事がきちんと分けられたことにより明確になる」ことを意味する。つまり、何かを理解するのは、「分ける」行為の結果なのだ。

 上手に「分ける」能力は、高度な「理解」に直結する。それは、人間の知能を決定づける、きわめて重要なスキルともいえるのだ。

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