地方の百貨店減少問題をEC百貨店で解決!?ストライプデパートメントが開店

ストライプインターナショナルとソフトバンクは15日、都内にて「合弁会社の設立およびECデパートメントストア『STRIPE DEPARTMENT』の開始に関する共同記者会見」を開催し、最新テクノロジーを活用したECデパートメントストアの詳細について説明を行った。

合弁会社ストライプデパートメントの資本金は4億4千万円、資本構成はストライプインターナショナルが77.8%、ソフトバンクが22.2%である。

ストライプデパートメントはモール形式を採用し、600のブランド6万点以上の商品ラインナップで同日よりスタートしている。商品構成はレディースが80%、メンズが20%、そのなかでアパレルが60%、それ以外の雑貨が40%でローンチし、今後メンズを30%まで拡大していきたいとのこと。

今回は、ストライプデパートメントの特徴とソフトバンクの役割について紹介していく。


ストライプインターナショナル/ストライプデパートメント 代表取締役社長の石川康晴氏は、地方の百貨店の減少と、それに伴う取り扱いブランドの減少および新規ブランド数の減少により百貨店のファンが買う場所がなくなっているとした上で、「それをソリューション(解決)していきたい」と今回の事業立ち上げの背景について語った。

百貨店のソリューション提案として「取り扱いブランドを600からスタートし、年内には1000ブランド、3年で2000ブランドをめざす」と話す。こうした取り組みで地方の百貨店では取り扱っていないブランド数をEC上で訴求する。

一方で、ECでは「接客ができない」や「試着ができない」という課題があり、それに対して「試着サービス」や「パーソナルスタイリング」、「AIチャットボット」で解決していくとしている。

ストライプデパートメントにおける2社の役割は、ストライプインターナショナルがECストアの企画・運営を行い、ソフトバンクはデジタル化(クラウド、AI)、デジタルマーケティング(Ad Platform)であると説明。

石川氏はソフトバンクをパートナーに選んだ経緯について「我々はリテール中心の会社で、ECのプラットフォームのノウハウが少ない。さらに今あるノウハウではなく、未来のノウハウを持っている会社と組まなければいけない」「ソフトバンクは無数にデジタルに強いグループ会社があり、海外とのクラウドとの連携など最新の情報が集まっているのがソフトバンクの特徴だと思います」と話した。

続けて「さまざまなモバイル会社があるなかで、ここまでのデジタルグループ会社を持っているというのは日本の中でもソフトバンクしかないということで、これから我々が苦手なデジタルの分野を託すパートナーはソフトバンクしかいない」と明かした。


続いて登壇したソフトバンク 執行役員 法人事業統括 法人事業戦略本部 本部長の藤長国浩氏は、ソフトバンクがもつデジタライゼーションの強みとして「世界中の最新テクノロジーを強力なパートナーとして向かい入れて、あらゆる分野でデジタル化を進めている」と話す。


デジタルマーケティングの業務支援は2012年のサービス開始以降約1000社へ提供しており「リアルな店舗で色々なノウハウを持つストライプ様と、私どものデジタルのテクノロジーとマーケティング能力をあわせてストライプデパートメントを成功に結びつけたい」と語った。


ストライプデパートメントの概要説明は、ストライプデパートメント 専務取締役の佐藤満氏が行った。




ITを活用した接客サービスのポイントは3つ。ひとつは「試着サービス」だ。試したい商品を3着まで自宅で試着し、気に入らなかった商品を無料で返送する。試着時には、クレジットカードやキャリア決済の枠を押さえるのではなく与信のみとすることで、ブランド品の3着を試着するためのハードルを下げている。決済は、返品後もしくは8日後に手元にある商品のみが決済の対象になるのだという。


そして、ECでは店舗での接客ができない課題解決のために「パーソナルスタイリング」の仕組みを導入。リアル店舗で接客経験の豊富なスタッフが、個別にオススメのスタイリングを提案する。その条件として、アンケートや購入履歴、ユーザーが既に持っている服などから、その人にあったスタイリングを提案するという。ポイントは、購入履歴や既に持っている服と被らない商品を選び出すところだ。


3つ目が、AIチャットボットが接客対応し、ユーザーのデータをもとに商品の紹介など、ユーザーにあった接客を行うとしている。特に営業時間外などスタッフが常駐していない時間帯でも、AIチャットボットが接客を行うことが強みとしている。


さらに、パーソナルスタイリングの機能と連携する特徴的なサービスが「オンラインクローゼットサービス」だ。既に持っている洋服や靴などをスマートフォン(スマホ)などで撮影して、ストライプデパートメントに登録する。このクローゼットのデータをもとに統計学習を行い、接客品質の向上を図る。


最後にソフトバンク 法人事業戦略本部 デジタルマーケティング事業統括部 統括部長/ストライプデパートメント 取締役の藤平大輔氏が登壇し、今回の協業について説明を行った。

藤平氏は、「今までキャリアとしてはインフラの提供を行ってきたが、時代が変わってきているところ、スマホの普及でデジタライゼーションが進んでいる。

ただ、自力でそこまで(ユーザーニーズに応えられる)のことができる企業は日本の中ではまだ少ないのではないか」とし、ソフトバンクにはこうした企業のデジタル化への要望が来ているのだという。


今回の協業も、デジタルマーケティングやAIチャットボット、スタイリング需要予測、モバイル・決済、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)に関しては、ソフトバンクの中で実証しており、そのノウハウを活かして支援をしていくとした。

藤平氏は「デジタルマーケティングといえばテレビのようなオフラインメディアではなく、webというイメージがあるかと思うのですが、あくまでマーケティングをデジタルとして定義することが狙いでありまして、Webでどんどんやっていきましょうと言うことではございません」とソフトバンクのデジタル化支援についての補足説明を行った。


そして、ストライプデパートメントについて「ロボティクス、デジタルマーケティング、セキュリティ、AI、こうしたソフトバンクグループのあらゆるアセットを使って、事業支援をしていきたい」と語った。


動画リンク:https://youtu.be/qDv0CvKo6ng

記者発表では、ストライプデパートメントが取り扱うブランドのスタイリングを紹介した。







記事執筆:mi2_303


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