カシオがCP+から撤退、業界4位のカメラメーカーに何があった?

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 カシオがカメラと写真映像の総合展示会「CP+2018」に出展しないことが分かった。2017年のデジカメ販売台数シェア11.5%、業界4位のカシオのブースが消える。9回目を迎えるCP+は、今年、3月1日〜4日の3日間、横浜市のパシフィコ横浜と大桟橋ホールで開催され、7万人の来場者を見込む。毎回、主要カメラメーカー8社を中心に関連各社が勢揃いするイベントとして人気を集めてきた。カシオの出展取りやめで、日本で開くカメラ業界最大のイベントに大きな転機が訪れようとしている。

 CP+への出展取りやめについてカシオの広報は「FRシリーズなど新コンセプトカメラでは女性客の獲得を目指しており、昨年は特に女性を意識したブースを展開した。しかし結果は思わしくなかった。男性来場客が中心のCP+ではカシオが求める層にリーチできないと判断した。コストの問題もあり、社内では英断だとの声もある」としている。一方、CP+を主催するカメラ映像機器工業界(CIPA)では、このところ毎年のように、女性・若者層の拡大を目標に掲げているが、必ずしも成功しているとは言えない状況なのは確かだ。

 国内主要カメラメーカーでレンズ交換型のカメラがないのはカシオだけ。レンズ一体のコンパクトカメラ一本で勝負しているメーカーだ。コンパクトカメラのみでの年間販売台数シェアはここ数年1位キヤノン、2位ニコン、3位カシオの順。2017年のカシオのシェアは17.2%と決して小さくない。

 市場自体はスマートフォンの台頭で年々縮小しており、17年は販売台数前年比が88.8%と2ケタ割れの状態。しかし市場は徐々に販売は回復基調にあり11月には前年並みに戻す場面もあった。一方、カシオは昨年、前年比で79.3%と大きく落ち込んでおり、回復基調の波に乗り切れていない。さらに、各社が2万円台半ば(税抜き、以下同)の単価の高いプレミアム路線の製品を強化する中、カシオの平均単価は2万円を割り込んでいる。

 カシオ広報は「デジカメ事業から撤退するわけではない」としているが、業界関係者からは「カシオは昨年、新製品投入を大幅に縮小した。カメラというくくりではない、別の映像機器の路線を目指しているのではないか」との声も聞く。QV-10でデジカメを一般消費者に広めた立て役者のカシオが、カメラ業界最大の「お祭り」から姿を消すことで、今後大きな波紋を呼びそうだ。(BCN・道越一郎)