プロジェクト推進を誓う関係者一同

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近年、日本とその歴史に対する関心が高まり、訪日外国人の増加や、海外における日本文化の人気ぶりが注目されている。

【写真を見る】鎖、鎌、刀、手裏剣、くない等の忍具を用いた忍者の技を披露

その中でも「忍者」は、富士山、温泉、寺社仏閣、アニメ、ゲームと並び、「日本」を印象付ける人気コンテンツで、訪日外国人のやってみたいことの1つにも挙げられるようになっている。

そうしたなか、国内外に対して「忍者」による日本文化啓蒙活動を行い、“忍者力”で日本に貢献するべく、忍者NINJA議員連盟の設立総会が2月22日に都内で行われた。

■ 「忍者を日本の代表文化として世界に発信していきたい」

総会の冒頭には、本連盟の発起人である古屋圭司衆議院議員から挨拶。

「全国にいる忍者や、忍者にゆかりのある各地域がしっかりと連携し、日本の観光資源として貢献していきたいという想いから本連盟を立ち上げました。

発起人代表として、各地域・各代表と協力し合いながら、忍者という日本の代表文化を世界中に発信し、多くの外国人に日本を訪れてもらいたい」と、連盟の設立にいたる経緯と今後のビジョンについて語った。

■ 伊賀忍者特殊軍団「阿修羅」による演武

設立総会後には、伊賀忍者特殊軍団「阿修羅」による忍者ショーも行われた。鎖、鎌、刀、手裏剣、くない等の忍具を用いた忍者の技を披露すると、会場からは歓声が上がった。

■ 「敵と戦わないための情報収集をすることが忍者の本来の目的」

総会の後半には、三重大学で忍者・忍術に関する研究を行う山田雄司教授より「海外における忍者の反響」 についての講演も。

山田教授は「海外において、忍者はスーパーマンの様なヒーローとして認識されているが、実際は戦うことを目的とせず、敵と戦わないための《情報収集》をすることが本来の目的。

そうした“忍”(しのび)の精神について海外で講演すると、皆さんから大きな反響がありました」と述べ、海外における忍者の注目の高さを語った。

■ “ラストニンジャ”が語る忍者の歴史

さらに、甲賀流忍術の伴家忍之伝を受け継ぐ忍術家・忍術研究家で、“ラストニンジャ”とも称される川上仁一氏が「忍者の歴史」について講演。

「忍者の最盛期は戦国時代で、現代ではスパイや“戦う人”というイメージが広がっている。その時代ごとに忍者に対するイメージが変容しているが、甲賀流忍術の伴家忍之伝を受け継ぐ忍術家・忍術研究家として、真の忍者の姿や文化伝承に貢献していきたい」と述べ、日本における忍者の歴史や、今後の活動に対する想いを語った。

■ 官民タッグによるプロジェクトもさっそくスタート

一方、日本忍者協議会がエイベックスとタッグを組み、忍者エンターテインメントを世界に発信する「NINJA PROJECT」も同日に都内で発表された。こちらではアジアPRアンバサダーとしてピコ太郎が任命されている。

官民が協力して進める「NINJA」プロジェクト。2019年のラグビーW杯や2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどの機会をとらえ、日本の新たなコンテンツ産業に成長することを期待したい。(東京ウォーカー(全国版)・桑原健太郎)