by Monstruo Estudio

大腸菌やサルモネラといった食中毒の原因となる菌を検出するには、通常ラボで特殊な器具を使い時間をかけてDNA鑑定を行う必要があります。しかし、スマートフォンとアタッチメントを利用することで、一般の人でも簡単に少数の細菌を検出できる技術を研究者らが開発しています。

Scientists Develop Smartphone App To Prevent Food Poisoning | New England Public Radio

http://nepr.net/post/scientists-develop-smartphone-app-prevent-food-poisoning

Soon your phone will be able to detect food poisoning

https://www.fastcompany.com/40534785/soon-your-phone-will-be-able-to-detect-food-poisoning

現在、研究者らが細菌を特定するためにはDNA鑑定が利用されます。この時、細菌を検出しようとする研究者は生のホウレンソウや鶏肉の表皮から少量の細菌を採取し、サンプルとして十分な数になるまで24時間かけて細菌を増幅させるという作業を要するとのこと。これらの作業には特殊な器具と時間が必要になりますが、マサチューセッツ大学アマースト校の食品科学者であるLynne McLandsborough氏らは、一般の人でも簡単に細菌を検出することができるツールを開発しました。

McLandsborough氏は、「細菌はごく少数存在するだけであっても病気を引き起こすので、少数の細菌を検出可能にする必要がありました」と語っています。

McLandsborough氏と、同僚のLili He氏は、スマートフォンと、30ドル(約3200円)の顕微鏡アタッチメントを使って細菌を検出することを可能にしました。検出には化学物質でコーティングされたチップを使い、このチップを水に30分ほどつけると分子が細菌と結合し、小数の細菌でも検出されるという仕組みです。

左側の女性がMcLandsborough氏、右側の女性がHe氏。



その後、クリップ式の顕微鏡をスマートフォンのカメラに装着すれば、チップについている細菌を見ることができるわけです。以下の写真は顕微鏡をiPhone 7に装着している様子。



デモンストレーションでは、以下のような形で検出結果が示されました。左側がサルモネラが検出されたチップ、右側がサルモネラが存在しないチップです。



研究者らは製品化を目指しており、災害時の飲み水の確保や自宅キッチンでの安全管理にツールが役立つとみています。しかし、研究結果が公表されてからいくつかの食品加工会社から接触があったものの、実際の製品化までには数年かかる見込みです。スマートフォンを使って細菌を見ることができるようにはなったものの、一般の人々がその細菌が何かということを特定できるようになるまでには至っていません。研究チームは次なる課題として、細菌の種類を特定する方法の開発を掲げています。