国内外における、新聞社や出版社といったレガシーパブリッシャーから新興のデジタルパブリッシャーのエグゼクティブが参加した、「DIGIDAY PUBLISHING SUMMIT 2018 KYOTO」。今回で第3回目となるこのイベントでは、デジタルシフトの波が押し寄せるなか、業界全体でどう変革を起こしていくかが議論された。

同イベントのセッション「The Digiday Challenge Board」では、参加者が抱えている課題をポストイットに記入し、ボードに添付。その内容について議論と共有が行われた。本記事では、セッション後に実施した個別取材をもとに、それぞれが抱える課題の背景を紹介する。

なお、読みやすさを重視して、少し編集を加えている。

セクショナリズム




「Sectionalism ビジネス(マネタイズ)×コンテンツ(編集・編制)×技術(エンジニア)」


「ビジネス(マネタイズ)、コンテンツ(編集)、技術(エンジニア)、社内でこの3つのセクションが分断されている。デジタルネイティブでメディア運営するベンチャー企業は、部署や職種の垣根を超えてビジネスに取り組んでいるのに、これでは敵うはずがない。特に上層部の人間は、プログラマティック広告などテクノロジー周りの知識が乏しく、コミュニケーションの限界を感じる」(新聞社 課長・部長クラス)

デジタル人材不足




「デジタル人材の確保・育成」


「デジタル人材をいかに確保して育成するかが課題。たとえば、有期雇用社員の早期正社員化など、定着率を上げて中長期的に人材を育成するための取り組みなどだ。また、デジタルマーケティングは移り変わりが激しいため、どのようなキャリアパスを会社として用意していくかという視点も持たなければならない」(テレビ局 課長・部長クラス)

課金モデルへの展開




課金モデルの構築


「Webに関して、無料モデルの方はビジネスとして形ができてきているので、次は課金モデルへの展開を見据えている。いまはタイアップと自動広告でマネタイズをしているが、アッパーが見えてきているのが現状だ」(出版社 課長・部長クラス)

コンテンツの有効活用




コンテンツの二次利用による新しいマネタイズ


「サブスクリプションモデルや広告だけでなく、新たなマネタイズモデルとしてコンテンツの二次利用を考えている。これは、すでに我々が有しているコンテンツを、一般企業のオウンドメディアマーケティング支援のために提供する取り組みだ。これからはパーソナライズが進むため、必要なコンテンツの量が膨大になることが予想される。そこにマネタイズのチャンスがあると考えており、これからどう形にしていくかが課題だ」(新聞社 課長・部長クラス)

ユーザーの囲い込み




価値の高い人、ユーザーの囲い込み 1st Party Data


「紙媒体の読者の方が、Web経由の読者よりもロイヤリティが高く収益が見込めるため、そういったユーザーをいかに囲い込むかが課題。まずは適切なデータ(ファーストパーティデータ)の収集と活用が必要だと思っている」(出版社 課長・部長クラス)

メディアブランドの構築




パブリッシャーの色を届ける場が少ない


「メディアそれぞれの色に合わせたソリューションが必要。サブスクリプションモデルなど新たなマネタイズ手法が取り沙汰されているが、みなが同じ土俵で議論をしても意味がないのでは」(出版社 課長・部長クラス)

Written by 村上莞