食べるといいことだらけ!?「グラスフェッド」を知っているか?

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ファッション業界歴○十年という著者が、おしゃれ業界の食べ物にまつわるトレンドを独断と偏見で斬る人気コラム。今回はおしゃれ業界人たちが熱視線を注ぐ「グラスフェッド」について。自称牛脂アレルギーの著者を満足させた上質なビーフとは?

おしゃれフードトレンドを追え! Vol.10


食べるだけで若返る?痩せる?お洒落人はグラスフェッドに夢中!


「それグラスフェッドバターなの? やっぱり美味しいよね〜!」。昨年末、とあるお洒落ホームパーティ(参加者はスタイリスト、デザイナー、ファッションエディター、ギャラリーオーナー)で聞いた会話に私は「ん? 何それ知らない…」と焦る。「それ何?」と聞く私にみんなが微笑みながら優しく教えてくれた。


 

「グラスフェッド」とはgrass=牧草、fed=食物(えさ)を与えられた動物。つまり、ストレスのない放し飼いで良質の草を食べて育ったという意味なのだそうだ。グラスフェッドの牛(牧草牛)の乳で作ったバターがグラスフェッドバター。グラスフェッドビーフ、ミルクなども注目されている。他の食用油を一切やめて、グラスフェッドバターとギー(バターを煮詰めて精製し、タンパク質・水分・不純物を取り除いたもの)に切り替えた友人もまわりにちらほら増え始めている。



バターよりも汎用性があってネットでも買えるグラスフェッドギー。米タイム誌で「最も健康的な食品ベスト50」に選ばれたオイルだ。


 

そもそもグラスフェッドが注目されるきっかけになったのは、バターコーヒーダイエット(完全無欠コーヒーダイエット)ではないだろうか。コーヒーにグラスフェッドバターを入れて飲むバターコーヒーには抗酸化作用があり、アンチエイジングも期待できるとかで話題沸騰中だ。アメリカのIT企業家デイヴ・アスプリー氏が、自分自身であらゆる栄養を摂取し、その反応をIT技術(脳波計)を駆使して科学的に分析し導き出した最強の健康食が「バターコーヒーダイエット」。その著書「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」はアメリカで話題となり、セレブたちを中心にバターコーヒーが大流行している。筆者自身が50kgもの減量を成功させ、脳のパフォーマンスも最大化しIQが20アップしたというから驚きだ。普通のバターでは意味がなく、グラスフェッドじゃないと逆に太ってしまうとのことで美容に興味のある人々がグラスフェッドバターに殺到しているというわけだ。


 

1月末に日テレの「満点☆青空レストラン」で特集された、なかほら牧場のグラスフェッドバターは、松屋銀座のイベントでも売り切れ、オンラインでも品切れ中で入荷まで3ヶ月待ちとのこと。そう聞くと是が非でも手に入れてみたくなる。

グラスフェッドビーフは食べるほどに脂肪燃焼?


ファッションブランドの美女PRたちは赤身肉に夢中だと以前のコラムで書いたが、さらにそれが進化して今はグラスフェッドビーフしか食べたくない!という現象が起こっている。赤身をメインとする肉質は繊細でやわらかく、肉本来の旨味がありつつも低脂肪&低カロリー。話題のオメガ3脂肪酸も豊富というから百点満点だ。


 

牛肉を食べると必ず胃もたれで具合が悪くなる私(自称牛脂アレルギー)だが、勇気を出してグラスフェッドビーフを試してみた。感想は、ハンバーガーでもローストビーフでも食べた後は胃腸がスッキリ! 嫌な油っぽさもなく噛み締めるほどに旨味を感じる健康的なお肉に驚いた。やはり食べるものがナチュラルでヘルシーだと、肉自体も自然な味わいがするのかもしれない。まだ3度しか食べていないのでさらなる実食検証が必要だが。


 

グラスフェッドで絶対に外せないのが、牧草牛の名付け親でもあるドクター斎藤が経営する「Saito Farm」。牧草牛を普及させることで日本中を健康に導く、という壮大なロマンを秘めた日本初の牧草牛専門精肉店だ。医師で日本機能性医学研究所所長でもあるドクター斎藤はアンチエイジング&ダイエット分野でも第一人者。安全かつ美味しい牧草牛を医師の観点から選りすぐり、処方するような気持ちで提供するとあって信頼できる。麻布十番のお店では、お客からの要望に応えて今年から店内でグラスフェッドビーフが味わえる角打ちタイムが始まった。ニュージーランド牧草牛ステーキに青菜のサラダがついて1ドリンク(赤ワイン、サンペレグリノ、アルカリイオン水)4,000円、 サラミ&チーズ が1,000円というシンプルなメニュー。ドクターにアンチエイジングの相談をあれこれしながら赤身肉を堪能したい。


角打ちタイムの飲み放題コース(8,000円)から乾杯スパークリングワイン1杯、赤ワイン飲み放題(2時間)、青菜のサラダ、ニュージーランド牧草牛ステーキ(210〜240g)、サラミ、チーズ盛り合わせ、牧草牛のひつまぶし風ボーンブロスがけ(写真:お店から)

そんな「Saito Farm」とナチュラル&オーガニックレストラン「コスメキッチン アダプテーション」(アパレル企業経営)がコラボメニューを期間限定で提供していた。もともとグラスフェッドビーフのメニューがあったアダプテーションだが、さらに良質な牧草牛を追求しアピールするためドクター斎藤とのコラボとなった。健康&美への意識が高い女性客で溢れている店内では、デトックスウォーターがサーブされ、有機野菜たっぷりのサラダバーが色鮮やか。オーガニック、グルテンフリー、ヴィーガン、マクロビといったキーワードがメニュー欄に並んでいる。ボリュームのあるやわらかな最高品質のニュージーランド産グラスフェッドビーフのステーキは、外はしっかり焼いてあって中はレアでしっとり。噛むほどに肉の甘みが溢れ、いつまでも噛み続けていたい美味しさだ。



「コスメキッチン アダプテーション」と「Saito Farm」の期間限定コラボメニュー「グラスフェッドビーフのステーキ丼 ボーンブロススープ茶漬けと3種の薬味、サフランの香り」2,900円


 

次にファッション系企業やショップが多いお洒落タウン千駄ヶ谷にある「ザ バーガーズ」へ。人気メンズブランドBEDWINのビル3Fにあるショップは、自然光がたっぷり入るアメリカンな空間だ。グラスフェッドビーフを100%使用したプレミアムなハンバーガーが食べられるとあって近隣のアパレル関係者のランチに人気だ。外がカリカリに焼かれたパティはがっつり肉厚、塩こしょうもきいている。しっかりとした肉感で噛めばジューシーだが、嫌な油っけがないので胃もたれしなかった。バンズも天然酵母使用の自家製と健康に気遣ったハンバーガー、オーガニックシロップを使った自家製レモネードも美味しい。ヘルシー系なのにたっぷり食べ応えあるボリューム感と、男っぽいインテリアがカジュアルでいい。



ベーシックハンバーガーセット 990円


 

グラスフェッドという言葉を初めて知った時には、はあ? 牧草を食べた牛のバター? 飼料なんかでお乳の質が変わるの? それって自己満足なんじゃないの?と少し小馬鹿にしていた。それが、実際に肉を食べてみると体調がよく、バターも胸焼けしない。自分が牛肉アレルギーだと思っていたのに、グラスフェッドなら食べられるというこの状況は無視できない。


 

よく考えると、授乳中のお母さんは食べ物にかなり気を遣う。辛いものを食べると赤ちゃんがお乳を飲んでくれないだとか、アルコールを飲むと乳児には悪影響だとか、食べ物がお乳に直に影響しているわけだ。牛だって同じなのだ。肉なんてなおさら何を食べて育ったかで味も成分も変わってくる。牧草を食べてストレスなく育った牛を無視できない。おしゃれフードだけれど、ただのファッションではない。奥深いグラスフェッドの世界にどんどんはまっていきそうだ。