三菱UFJ国際投信が運用する「ペランギ」が、モーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー2017高利回り債券型 部門で最優秀ファンド賞を受賞した。同社債券運用部エグゼクティブ・ファンドマネジャーの樋口達也氏(写真)に聞いた。

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 三菱UFJ国際投信が運用する「国際インドネシア債券オープン(毎月決算型)『愛称:ペランギ』」がモーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー2017高利回り債券型 部門(対象ファンド数:652本)で最優秀ファンド賞を受賞した。三菱UFJ国際投信は、新興国債券の単一国ファンドを18本運用し、そのレーティングの平均が2017年12月末時点で5段階中4.4とレーティング対象ファンドが複数ある運用会社の中で最も高いことも受賞理由の1つ。「ペランギ」の運用について、同社債券運用部エグゼクティブ・ファンドマネジャーの樋口達也氏(写真)に聞いた。樋口氏は同社の外国債券ファンドの旗艦ファンドである「グローバル・ソブリン・オープン」や「アジア・パシフィック・ソブリン・オープン」などの運用責任者でもある。

 ――アジア債券運用での強みは?

 当社は2009年頃からアジア通貨建て債券(以下、アジア債券)について運用体制を整え、個人投資家向けにアジア債券ファンドの提供を開始した。09年当時は、アジア債券に投資する国内投資家は少なく、当社の他に、個人投資家向けに商品を組成する運用会社はほとんどなかった。その点では、アジア債券投資のパイオニアとして、調査体制の整備や運用ノウハウにおいて一日の長があると思っている。

 現在では、海外機関投資家のアジア債券への関心も高まり、市場の流動性も増してきている。以前と比較すると、アジア債券は運用しやすいマーケットに成長したと感じている。

 ただ、依然として、アジア各国の決済制度や為替取引に関する規制は、国それぞれに異なる。市場の拡大に伴って制度や規制の変更もあることから、現地の状況を熟知しているメリットは大きい。早くからアジア債券への投資に注目し、アジア専門のエコノミストがマクロ環境を分析する体制を整えてきた。各国の中央銀行や財務省を継続的に訪問するなど情報交換のパイプを大切にしており、現地の情報が入りやすいというメリットがある。

 ――インドネシア債券の魅力は?

 当ファンドは、インドネシアの国債や政府の出資比率が50%を超える政府機関が発行する債券、国際機関債などを主要投資対象としている。主にインドネシア・ルピア建てと米ドル建ての債券があるが、米ドル建て債券に投資する際は、原則として通貨取引を行うことでルピアの保有比率を高位に保つようにしている。

 インドネシアでは、インフレ率が安定的に推移し金利が低下傾向にあった。その結果、インドネシア・ルピア建て債券は価格が上昇し、昨年の良好なパフォーマンスの要因の1つとなった。

 18年1月末現在のポートフォリオは、国債が91%、国際機関債が3.7%という比率で、全てインドネシア・ルピア建てで保有している。ポートフォリオの平均利回りは年6.1%と相対的に高い。通貨上昇の期待もあるインドネシア・ルピアに投資できるファンドとしても、投資家の皆様の選択肢としてご検討いただけると思う。

 ――インドネシアの魅力は?

 インドネシアは、アジアでは中国、インドに次ぐ人口を抱える国であり、資源の輸出国としても魅力もある。近年は、日本の自動車メーカーがインドネシアに工場を立ち上げるなど、経済成長への期待が高まっている。

 東南アジア各国には、それぞれの国で経済発展の姿があるが、その中にあって、債券の投資先としては、インドネシア債券市場は魅力的だ。近年、市場の流動性が高まり、価格変動率も以前と比較すると穏やかになった。また、インドネシアの外貨準備高も増加し、アジア通貨危機(1997−98年)当時と比較すると、対外的なショックに対する耐性も増している。

 ――インドネシア債券の投資環境は?

 インドネシアという単一国に投資している商品のため、デュレーション・コントロール、組入れ銘柄の多様化、米ドル建て債の組入れなどにより、相対的に高い利回りの確保と債券価格の上昇などによるトータルリターンの向上をめざしている。

 近年、インドネシアでは金利低下余地が生まれてきたため、長期国債の価格に上昇傾向が強まった。現在、インドネシア・ルピア建て債券で長期債のポジションを手厚くする戦略をとっている。

 2017年についてはドル建て債からインドネシア・ルピア建て債への切り替えを行ったことなども高いパフォーマンスにつながった。今後も、インドネシア債券の高い利回りを享受しつつ、中・長期的には経済成長などに伴うインドネシア・ルピアの上昇などにより、安定したインカムゲインの確保と信託財産の成長を目指したい。(情報提供:モーニングスター社)