世代間の誤解や歪みの原因ともなり得る「戦後の昭和〜平成の出来事」を取り上げる(イラスト:ケン・サイトー)

平成も30年目を迎えた2018年。新天皇即位に伴い「平成」は終わり、新たな元号に変わることも決定した。これで30代以上の多くの人は「昭和・平成・新元号」の三時代を生きることになり、かつて年号が「平成」になったとき以上に、時代の変化や世代間ギャップを感じていくことになるかもしれない。
『雑学ニッポン「出来事」図鑑』を著したイラストレーターのケン・サイトー氏は本の取材過程で、ビジネスシーンでも何かとネックになりやすい「世代間ギャップ」は、各世代が見聞きした「出来事」の“取り扱い方”に原因の一端があるのではと感じたという。本記事では、世代間の誤解や歪みの原因ともなり得る「戦後の昭和〜平成の出来事」を取り上げてみたい。


ピーナッツ領収書……バレたら大変ってどういう意味?(イラスト:ケン・サイトー)

「チキンラーメン登場」を知っているのは60代以上

今から60年前の1958(昭和33)年、世界初のインスタントラーメンである日清「チキンラーメン」が発売されました。日清食品創業者・安藤百福氏の発明により誕生したこの商品は“食の革命”ともいえる超ロングセラー。その発売当初のリアルを知っているのは、おそらく65歳以上の方たちになるはずです。


超ロングセラーの日清「チキンラーメン」(イラスト:ケン・サイトー)


日清食品創業者・安藤百福氏の発明(イラスト:ケン・サイトー)

終戦から10年以上経過していたとはいえ、何でも手軽に食べられる現在とは状況がまるで違っていた当時。開発には数多くの苦労もあったようですが、安藤百福氏の追求心は、便利すぎる世の中にいる私たちも大いに見習うべきなのではないかと思います。

2018年後半には安藤百福氏を支えた妻の生き様を描いたTVドラマの放送も予定されています。時代を超えて愛される商品の裏に、魅力的なエピソードあり。60代以上の方に話をふってみれば、チキンラーメン話で盛り上がれるかもしれません。

「三億円事件」に衝撃を受けたのは50代以上

50年前の1968(昭和43)年の年末には、昭和最大の未解決事件ともいえる「三億円強奪事件」が発生。現金輸送車がニセ警官にだまされ、白昼堂々大金を奪われたこの事件は、真犯人がわからぬまま時効を迎え、その真相は今も謎です。この出来事をモチーフにした映画やTVドラマもあるので、若手ビジネスパーソンの認知度も比較的高いようですが、リアルタイムで事件の顚末を知るのは50代後半より上の世代の方たちになると思います。


現金輸送車がニセ警官にだまされた(イラスト:ケン・サイトー)

この一件以後、類似の高額強奪事件――たとえば1986年の「有楽町三億円事件」、1990年の「練馬三億円事件」、新しいものでは2017年に発生した「福岡3.8億円事件」などがありましたが、それらが発生するたびに引き合いに出されたことを見ても、この事件が社会に与えたインパクトの大きさが伺い知れます。

40年前の1978(昭和53)年には、千葉県成田市に「新東京国際空港(現・成田空港)」が開港。ここは今や、LCCを含む多くの航空便が往来する国際空港となっていますが、この空港が開港する以前は、羽田空港が国内唯一の空港として利用されてきました。

成田空港のオープンを覚えているのは、今ちょうど40代後半以上になる方たちでしょうか。空港の開業までには“負”の歴史もあり、地元住民らとの長く激しい衝突があった「三里塚闘争」などの経緯を知る人となると、さらに上の世代になるはずです。


空港の開業までには“負”の歴史もある(イラスト:ケン・サイトー)

「東京ドーム開業」に胸躍らせたのは30代以上

30年前の1988(昭和63)年には「東京ドーム」が開業。当時はボクシング・ヘビー級王者マイク・タイソンの絶頂期で、ここで行なわれた2度の防衛戦では5万人を動員しました。


大物アーティストも来日しました(イラスト:ケン・サイトー)

また、来日アーティストもこの年、ミック・ジャガー、マイケル・ジャクソン、ボン・ジョヴィなどの大物たちが東京ドーム公演を行なっています。これはまさに、当時の「バブル・ニッポン」を象徴する出来事だったといえるでしょう。

なお、この翌年1989(昭和64)年には昭和天皇が崩御。年号が平成へと移り変わりました。

経験者は語る――そこから学ぶことは必ず「ある」

以上のような、各時代を代表する出来事を知っていそうな人が身近にいたら、何気なくでも当時の話を聞いてみることは貴重な機会になるはずです。


人それぞれの視点から、一般に知られるニュースとはひと味違う情報も得られるでしょうし、出来事自体もさることながら、それが起きたとき、その人が何歳で、どんな状況だったのか、どんなことを考えていたのかなど個人的なエピソードも聞ければ、その「人となり」を知るきっかけになります。

時代時代の出来事を通じてお互いのコミュニケーションが活性化すれば、よくいう「世代間ギャップ」も縮まり、よりよい関係性が築けるかもしれません。


出来事を通じてお互いのコミュニケーションが活性化すれば、よい関係性が築けるかも(イラスト:ケン・サイトー)