当選の記事が一面に載った新聞を前にして、集まった記者たちに語る渡具知市長

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 渡具知武豊・名護市長が当選翌日の2月5日9時前から自宅で初会見に臨んだ。当選を一面で伝える地元紙を手にして写真撮影に応じた後、質疑応答となったが、そこで浮き彫りになったのは、小池百合子都知事に負けるとも劣らない露骨な記者選別(排除)だった。筆者の再質問に否定のコメントを発して以降は7回も質問を無視し続ける一方、他の記者には答えるという差別的対応をしたのだ。

 私の最初の質問は「(政策協定を結んで推薦を決定した)公明党の『(海兵隊の)県外・国外移設』を掲げて当選されたわけですから当然、『海兵隊用の新基地は必要がない。(沖縄から)出て行く海兵隊用の基地は必要ない』と(お考えでしょうか)」で、渡具知市長は次のように答えた。

「必ずしも私はそう思っておりません。海兵隊はこれまで米軍再編等において県外・国外に移転するというようなことがあります。それを早く推し進めて下さいということです」

 米軍再編全体の一般論を聞いたのではなく、渡具知市長は公明党と政策協定を結んで「海兵隊の県外・国外移転」を掲げたので、当然「海兵隊用の辺野古新基地は不要」という立場であるのかどうかを確認したかったのだ。

◆「新基地建設が必要かどうか」に関する質問には答えず

 しかし首尾一貫しない意味不明の回答しか返って来なかったので、次のような再質問をした。

――(県外国外に)海兵隊が出て行けば、辺野古新基地は必要ないのではないか。それは矛盾しないのでしょうか。

 しかし渡具知市長は「矛盾しないと思う」と否定した後、私の質問を無視して記者会見を早々と切り上げようとした。

――それなら(辺野古)新基地は何のために作るのですか。

渡具知市長「(質問には答えずに)よろしいですか」

 これに対して別の記者が「米軍再編交付金(基地マネー)は選挙の時も言及されていたが、支給があれば受け取るということか」と聞くと、一転して渡具知市長は丁寧に答え始めた。

「再編交付金についてはまた言葉尻を捉えられても困るので、それは『受け取れない』という報道があるわけでしょう。だから『再編交付金は対象にならないという認識』と報道されているので、そういうことだと思う」

 質疑応答がしばらく続いた後、新基地関連の市長の権限に関する質問をぶつけた瞬間、渡具知市長は「よろしいでしょうか」と再び会見を終了しようとした。そこで「市長の権限を使って(辺野古新基地建設)工事を止めるのか」と再質問をしたが、無視された。2回目の無回答だった。

 記者選別はこの後も続いた。私以外の記者の質問には答えるやりとりが続いた。上京についての質疑応答となった時に「東京で基地問題について何をおっしゃるのですか」と聞いても一言も返ってこない(3回目の無視)。

◆都合の悪い質問は徹底して「無視」

 その後も別の記者とのやりとりは続き、辺野古新基地に関する質疑応答に戻ったので、「辺野古新基地に代わる代替案は模索しないのか」と尋ねると、渡具知市長は「他に質問はありませんか」と再び会見終了の構えをみせたが(4回目の無視)、即座に別の記者が質問をして会見は継続。このパターンが何度も繰り返されたので、以下は私の無視された質問内容を列挙しておくことにする。

●5回目(名護市でもオスプレイが飛行、住宅地上空の飛行禁止を申し入れるとの発言を受けて)
――日米地位協定改定についてどう思われますか。そこを変えないと(危険な米軍機の訓練が)禁止できないのではないか。(5回目の無視)

●6回目(菅官房長官からの電話はなかったとの回答を受けて)
――菅さんにはどう報告されるのですか。(6回目の無視)