2014年にSnapchatがストーリーをリリースすると、インスタグラムとFacebookがその機能を真似するまでに時間はかからなかった。いまではパブリッシャーとブランドが自社のアプリとモバイルサイトに類似の機能を搭載し、エンゲージメントを向上させようとしている。バージン(Virgin)のようなブランドやフードネットワーク(Food Network)、エンターテインメント・ウィークリー(Entertainment Weekly)、ピープル(People)のようなパブリッシャーは、アプリにストーリーと呼ばれるセクションを追加している。このストーリーは、一般ユーザーがシェアするものではなく、Snapchatのディスカバー(Discover)セクションのように、ブランドやパブリッシャーが自社コンテンツ(主に縦型のビデオ)をシェアするためにデザインされている。

若者へコンテンツ訴求

スクリップス(Scripps)傘下のフードネットワークは2月7日、自社アプリ「フードネットワーク・イン・ザ・キッチン(Food Network In the Kitchen)」にストーリー機能を追加した。ストーリー機能を自社で作成したスクリップス・ライフスタイル・スタジオ(Scripps Lifestyle Studio)のGMを務めるビッキー・ニール氏は、その目的が若者にコンテンツとインタラクションしてもらうことだと話している。Snapchatやインスタグラムと同様に、フードネットワークのアプリにおいて各ストーリーでビデオや写真を表示し、上にスクロールすると、完全なレシピや調理方法のビデオなどのコンテンツも見ることができる。しかし、Snapchatとの違いは、フードネットワークのストーリーが、アプリのホームページで、「健康的」や「新鮮」といったトレンディングトピックで分類された一連のパネルに直接表示されることだ。

Food Networkアプリのホームページのストーリー

フードネットワークでは、Snapchatのオーディエンスやインスタグラムのフォロワーが、それぞれのプラットフォーム上でストーリーを使ってどのようにインタラクションしているかを観察し、同じ機能を自社アプリに搭載したいと考えたと、ニール氏は話している。このアプリには7万を超えるレシピが掲載され、ユーザーがストーリーを使えば、これまで目にすることがなかったようなレシピを発見できるようになると話している。

ソーシャル戦略を拡張

ピープルやバージンなどのほかのパブリッシャーやブランドは、ニューヨークを拠点とするスタートアップのエイプスター(Apester)と協力して、自社のストーリーを開発している。エイプスターのストーリーはSnapchatのストーリーと同じように、ブランドやパブリッシャーのCMSに組み込むことができて、そこからアプリ、モバイルサイト、オンラインの記事に追加できる。その形式でGIFやクイズ、さらには写真やビデオのシェアが可能で、広告はストーリーの最上段に表示される。たとえば、ピープルは2月7日、マーベル(Marvel)の新作映画『ブラックパンサー(Black Panther)』に関するオンラインの記事とモバイルサイトに、エイプスターのストーリーを追加した。このストーリーでは、「ブラックパンサーの特殊能力は何か?」といったクイズが出題される。バージンは10月に、バージングループ創業者のリチャード・ブランソン氏をはじめとした多くの起業家が、ビジネスの立ち上げについてアドバイスをするウェブサイトに、ストーリーを追加した。

Virginが自社ウェブサイトに導入したストーリー

エイプスターのCEOで共同創業者のモティ・コーエン氏は、自社のストーリー製品を使えば、パブリッシャーとブランドは視覚に訴えるストーリーを作成し、どこにでも埋め込んでWeb上のソーシャル戦略を拡張できると話している。エイプスターはまた、Facebookのニュースフィードの変更に対する反応も利用して、パブリッシャーとブランドにとってストーリーは、ソーシャルメディアよりもエンゲージメントを生み出せるとして、この製品をエージェンシーに売り込んでいる。

その効果は実証済み

だが、パブリッシャーとブランドが、自社のアプリとモバイルサイトにストーリーを導入しようとするのは、そう驚くことでもない。ストーリーはインスタグラムやSnapchatで支持を得ているのは実証済みであり、Facebookでもある程度受け入れられている。実際、インスタグラムのストーリーは1日当たり250万人以上に利用されていることが6月に発表されている。むしろパブリッシャーとブランドは、ストーリーがもっと広範にシェアされると考えてもいい。1月下旬、Snapchatはユーザーがどんなソーシャルプラットフォーム上でもストーリーをシェアできるようにすることを発表した。また四半期ごとの業績発表の場では、ローズボウルとシュガーボウルの会場の大スクリーンにストーリーを表示させることも発表した。Ilyse Liffreing(原文 / 訳:SI Japan)