さまざまな番組でMC力を発揮する千原ジュニア氏(NHK・超絶 凄ワザ!より)

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 最近テレビ番組で司会者のことを「MC」とよぶことが増えている。MCとは、マスター・オブ・セレモニーの略称である。なぜ、司会者と呼ばずに、MCと呼ぶようなったのか。

 司会者とMCとは役割が違う。司会者とは台本通りに番組を進める人。これに対してMCとは、出演者たちの個性を尊重して、その能力を引き出しながら、番組全体を指揮する人である。

 台本通りに進める司会者よりも、その場の空気を読み、ハプニングを受け止めながらも番組を進めるMCが求められている。

 MC力はテレビの世界だけのスキルではなく、ビジネスにも、プライベートでも役に立つスキルである。MCは単なる司会者でなく、相手の力を引き出すファシリテーターである。ファシリテーターとは、会議などの組織活動におい中立的な立場から進行をサポートするファシリテーションという役割を担う者のことを指す。

 ファシリテーターは自身では意思決定などに関与せず、会議体のセッティングや進行、グループ参加者が合意形成するプロセスを助ける役割に徹する。

 ファシリテーターに求められる基本スキルは、(1)場のデザインスキル:場を作り、つなげる(2)対人間関係スキル:受け止め、引き出す(3)構造化のスキル:かみ合わせ、整理する(4)合意形成スキル:まとめて、分かち合う。これにより、メンバーの相乗効果が発揮され、成果に達するまでの時間が短縮できる。

 ファシリテーターの心得としては、先入観を持たないこと、ポジティブな発言をすることが挙げられる。MCの役目は番組進行だけでなく、制作サイドの意向をきちんと把握して、それを出演者たちに的確に伝える役目も担っている。

 そのために必要なのはコミュニケーション能力を高めていくことである。

 ビジネスの世界でも、飛び抜けた能力を持つひとりの天才型リーダーが率いるチームよりも、個々の能力を最大限に引き出すMC型リーダーのチームのほうが大変良い結果をもたらしている。今の時代に求められているのは仕事で成果を最大にするMC的リーダシップである。

 プロデュース力よりMC力を学ぶことが、ビジネスでの究極の武器になる。
(文=上野延城・日本経営士会)