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 トヨタは20日に東京本社で開催した技術説明会において、高価なレアアース(希土類)であるネオジムの使用量を大きく減らしたうえで、従来同様の磁力と耐熱性を確保する技術を確立したことを発表した。

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 ネオジムは、強力な磁力を持った永久磁石を生産するために欠かせないとされており、ネオジム磁石は、特に小型で強力な磁力を必要とする高性能モーターや、スピーカーを始めとする様々な分野で需要が多い。しかし、レアアースであるネオジムは資源量と生産量が乏しく、将来の市況で騰勢に向かうと、調達が困難になることが懸念されていた。

 トヨタが今回開発したネオジム磁石は、ネオジムの使用量を今までより2割から5割削減し、代替物として安くて資源量が豊かな軽希土類のランタンとセリウムを使用している。単純に代替させるだけでは性能の低下に直結するため、配合に工夫を凝らして強力な磁力と高度な耐熱性というネオジム磁石の特性は失っていない。ランタンとセリウムの価格は、ネオジム比では約5%程度という低価格だという。また、従来のネオジム磁石には欠かせなかった、レアアースのディスプロシウムは、工法の改善により使用せずに済むことになった。ディスプロシウムは、産地がほぼ中国国内に限られており、中国政府が採掘枠を厳格に管理していた。

 モーターは用途によって要求される出力性能に幅があるが、ネオジムの使用量を調整することで、幅広いモーターの用途に対応できることになった。現在注目のEV用モーターに限らず、パワステ等への活用が期待できるほか、家電やロボットなどの様々な用途が想定されている。概ね、2020年代前半にはパワステへ適用させ、EVの駆動用としては今後10年程度のスパンで実用化を目指すとしている。また、トヨタが今回開発した磁石を自社製造することはなく、専門メーカーへ製造を委託する方針を示した。

 トヨタはEVやHVなどの電動車の世界販売比率を現在の15%程度から2030年には50%以上へ引き上げる方針で、モーター需要の大幅な増加が見込まれる。原料となるネオジムの供給不足への懸念を払拭するため、磨いて来た新技術を発表した。