探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から紹介します! 

浮気がバレた後の夫婦関係、浮気調査のポイントについても語ります。

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今回の依頼者様は目黒由貴子さん(仮名・38歳)。通販サイトを運営している経営者で、歌手の野宮真貴さんに似ているクールな美人です。デニム素材のかっちりしたジャケット、白のカプリパンツ、ベージュのニットに、イタリアブランドの赤いカシミアショールをぐるぐる巻きにしており、今までの依頼者様の中でも目を引くおしゃれなコーディネートでした。バッグは有名フランスブランドのものですが、ぱっと見では全くそうだと分からないもの。女性から「カッコいい」と称賛されているオーラと雰囲気をまとっていました。

「同じ年の夫とは結婚5年になります。彼は最高学府を卒業してから、日本を代表するような商社に勤務していました。野球の強豪校出身で文武両道、カリスマ性もありまして、大学時代から20代はかなりの数の女性を泣かせていたようです。しかし、その罰が当たったのかここ数年で髪の毛がさみしくなってきて、その事でかなり悩んでいたようで、うつ病になってしまったのです」

原因は薄毛の治療ではないか、と推測する由貴子さん。

「ホルモン薬を処方されるから、心身のバランスが崩れたのでしょうか……。排水溝にごっそりと絡まっていた髪の毛は減ったものの、突然泣き出したり、キレたりするようになりました。会社では我慢していたらしいのですが、上司に発言を指摘され、同僚に哀れまれ、女性社員に遠ざけられたりされ、閑職に異動。それが屈辱的だったのでしょうね。何の相談もなく会社を辞めてしまって、この1年間は自宅静養の日々です」

プライドが高い旦那様を知っている由貴子さんは、家庭内でも腫れ物に触るようにしていたと言います。

「でも、最近はモノを投げたり、投げ出したりすることもなく、“死にたい”などという発言が減り、落ち着いています。友人たちから仕事に誘われることも増え、ビジネスコンサルタントの仕事を細々と始めていました。夫は勉強し始めると没入し、相手の期待に応えようとする性格なんです。コンサルの仕事を完全に行ないたいと、占いの一種である算命学の勉強なども始めていました。そのあたりから、顔色も良くなり、薄毛の治療もお休みして、元の夫に少しずつ戻ってくれたと安心していました」

浮気に気が付いたのは、フリック入力だった……

旦那様の安定の背景には、ある女性がいたようです。そのことに気が付いたのは、LINEの頻度が増え、フリック入力をいつの間にかマスターしていたこと。

「それまでは、どれだけ人にすすめられても、LINEをやらなかったのですが、頻繁にアプリを立ち上げてフリック入力でやり取りしているんです。“私もID教えて”と言ったら、かたくなに拒否。夫が夢中になっているとき、気配を消して接近し画面を見たら“○○さんの言うことに従うとなんでもうまくいったありがとう”とか、“頼りにしている”などと返信しているんです」

これはなにかヤバい、と思った由貴子さんは旦那様名義の口座の通帳を記帳しに行ったそうです。すると、女性の名前の口座に毎月10万円振り込まれていたとか。

「夫はお金の管理が下手。ひたすら1つの普通預金にお金を入れ続けており、残高は数千万円ありました。それまで人に振り込みなどしたことがないのに、ある会社の口座に毎月10万円振り込んでいるのです。その会社名をググったら、スピリチュアル系のサイトがヒットし、代表は陰陽道に通じている女性でした。それと同時に、私が中国に買い付けや商談に行くときに家を留守にしているっぽいんです。浮気も腹立たしいですが、カモにされているのではないかと心配で……。それに、最近私にとって夫がお荷物になってきており、スムーズに離婚したいのです。モメないための証拠と、夫の目を覚まさせて、きれいな状態にしてからリリースしたい。そのための調査をお願いします」

スピリチュアル会社代表女性は平安美人という印象。だが、ホームページの写真はどれも能面のような表情だった。

※本連載はプライバシーに配慮し、体験内容を変えない程度に一部書き換えています。

極寒の京都の山中での儀式、豹変した自称・陰陽師の女性と壁の薄いビジネスホテルで行なったこととは……?〜その2〜に続きます。