マグネシウムはカルシウム同様、骨の形成に必要なミネラルで、体内の50〜60%は骨に、残りは筋肉や脳、神経に存在します。

 マグネシウムを多く含む食品は、ノリなどの海藻類、ナッツ類、精製されていない穀類(玄米など)、ゴマなど。食事で摂取したマグネシウムの吸収率は30〜50%と報告されていますが、カルシウムと一緒に摂取すると相乗効果で吸収率が高まります。骨のためにもカルシウムと一緒に摂りましょう。

 マグネシウムは、豆腐を作る時に使われる苦味の強いにがり(塩化マグネシウム)の成分であり、薬品では便秘薬のカマ(酸化マグネシウム)の成分です。薬剤やサプリメントで大量に摂取すると、腸管からの吸収率が低いために腸内の浸透圧が高まり、腸内の水分量が増えます。その結果、便に含まれる水分の量が増え、便が柔らかくなり排泄を促します。

 かつて「にがりを摂るとやせる」と言われ、にがりダイエットが流行したことがありましたが、過剰に摂取すると下痢を誘発し、必要な栄養素の吸収率も下がるため、注意が必要です。マグネシウムもカルシウムも、サプリメントや健康食品より、食品から摂るのが良いでしょう。通常の食事では、過剰症など健康障害の報告はありません。

 一方、マグネシウムが欠乏し、低マグネシウム血症になると、吐き気、嘔吐、眠気、脱力感、筋肉のけいれん、ふるえ、食欲不振がみられます。長期にわたるマグネシウムの不足が骨粗しょう症、心疾患、糖尿病など生活習慣病のリスクを上昇させることも示されています。

【管理栄養士・今井久美】

参考:日本人の食事摂取基準2015年度版