伊賀焼『かまどさん』ができるまで



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土鍋を使ったことがある人は多いが、実際に土鍋がどのように作られているかは意外と知らないだろう。そこで長谷園の工房を覗き、実際に『かまどさん』ができる行程を見せていただいた。

土練り





最初は土練りの工程。陶器にするための土は専門の業者から取り寄せる。この土は鍋によって配合が変わっており『かまどさん』と『かまどさん電気』でもわずかに異なっているという。届いた土を専用の機械に通し、加工しやすい円柱状にして、一定の長さに切断していく。

ろくろ





一点物や試作品を作る時は最初にろくろを回して形を形成する。ろくろ場には3人の職人が常駐しており、次々と様々な器や土鍋を作っていた。『かまどさん』の土鍋はこうして作られた試作品を元に型が作られている。

型取り







『かまどさん』の石膏型に土を入れて型取りを行う。形を安定させるため、石膏型の中でしばらく休ませる。その後、形を壊さないように優しく石膏型から抜いて行く。

削り





続いて削りの工程に入る。石膏型から抜いたときに残るはみ出た部分をカット。さらに、直火で使う『かまどさん』では表面積を増やすために、鍋底をカンナで削り、蓄熱性を高めている。

耳つけ







『かまどさん』では水で溶いた土を糊のようにして耳(持ち手)をひとつずつ取り付けていく。『かまどさん電気』では耳がないため、この行程は省略される。

焼成(素焼き)







成型が終わったら乾燥をすすめて、素焼きを行う。専用の土台に『かまどさん』の型を並べ、ガス窯にセットして焼いていく。

釉薬・本焼き





素焼きが終わったら鍋に手作業でひとつずつ釉薬を施し、本焼きを行う。この釉薬は鍋ごとに配合が違っており、『かまどさん』にはより遠赤外線効果が出るような釉薬が使われているという。この本焼きが終わると鍋は完成。ただし、『かまどさん電気』用の土鍋は1mm単位での精度が求められるため、細かな確認も欠かせない。

長谷園の里で土鍋が買える





三重県伊賀市丸柱にある長谷園では店舗があり、その場で『かまどさん』をはじめとした陶器の数々が購入できる。また、体験工房では作家の指導による陶芸教室も開催(要予約)。毎年5月にはアウトレットの土鍋が買える「窯出し市」も開催されており、2万人を超すお客さんが訪れるという。



※『デジモノステーション』2018年4月号より抜粋。

関連サイト



かまどさん電気(シロカ)

伊賀焼窯元 長谷園

textコヤマタカヒロ

photo下城英悟(GREEN HOUSE)