ボストン・ダイナミクスが開発した4本足ロボット「SpotMini」はドアノブをつかんでドアを開けることが可能なロボットですが、その優秀さはドアを開ける能力だけではありません。このロボットは、ドアを開ける操作を人間に邪魔されてもそれにメゲず、成功するまで何度も自分でやり直して任務を完了させる能力を備えています。

Testing Robustness - YouTube

ボストン・ダイナミクスが公開したムービー「Testing Robustness」(ロバスト性のテスト)に登場してきたSpotMiniくん。前回のムービーと同様にひょこひょこと歩いてきてドアを見つけると……



口でノブをくわえて開けようとします。この時、SpotMiniには「ドアを開けろ」という司令だけが送られており、ドアノブを見つけたりくわえたり、引っぱったりする動作は全てSpotMiniが自分で考えているとのこと。



そこに、ホッケースティックを手にした男性が現れて……



ドアノブを加えようとしたSpotMiniの頭を「ぐいっ」とスティックで押さえつけて邪魔をします。



邪魔にもメゲず、再びドアノブをくわえてドアを開けたSpotMiniくんにさらなる仕打ち。男性が手でドアを押さえて、それ以上開かないように邪魔。必至でこれに耐えるSpotMiniくんの姿がなんともけなげに見えてきます。



首をねじ込んでドアを開けようとした時には……



男性はドアを押してSpotMiniくんをドアに挟もうと攻撃。もうやめてあげて……



さらに、お尻の部分にとりつけられたロープを引っぱって、ドアから引き剥がそうとします。



お尻のカバーが外れて「コロン」と落ちながらも、なんとかドアを目指そうとするSpotMiniくん。とにかく必死に耐えて任務を完遂しようとしていることがよくわかります。



男性の邪魔はこれで終了。幾多の困難に耐えたSpotMiniくんは再びドアノブをくわえて……



部屋を出ていきました。恐らく気のせいですが、何となく男性をにらみつけるようなしぐさをしているように見えた瞬間も。



こんな感じでSpotMiniは、外部からの干渉を受けたとしても与えられた任務を自分で最後までやりとおす能力、思考回路が備わっているということがよくわかります。この実験に際しては、ムービーには写っていない別のスタッフがSpotMiniをドアの前まで連れて行き、ドアハンドルを指してから「Go」コマンドを送っただけで、あとはSpotMiniが自分で状況を判断してドアの外に出ていったとのこと。

ムービーで42秒のタイミングで「Go」を受けたSpotMiniは、アーム部分にとりつけられたカメラでドアノブを認識しつつ、本体部分のカメラがドアの開閉状態を認識することで、ドアを開けて出ていくのに必要な情報を収集しているとのこと。あとは本体内のソフトウェアが体の動きやバランス、必要な動作などを全て自分で認識することで、任務完了までに必要な一連の動作を自動で行えるようになっています。

これは以前に発表されていた二足歩行ロボット「Atlas」が供えていた能力と同様のもの。四角い箱を持ち上げて運ぶように指示されているAtlasに対し、SpotMiniと同じくホッケースティックで邪魔しまくっているのですが、そんな妨害にもメゲずにAtlasは黙々と任務をこなそうと作業を続けています。むしろ、度重なる妨害を学習することで、ボストン・ダイナミクスのAIは「ホッケースティック=悪」と覚えてしまわないか少し心配になる、そんなレベルです。

人型ロボ「アトラス」が倒されても荷物を奪われてもめげずに任務を遂行するシュールなムービー - GIGAZINE



SpotMiniにとっては少しかわいそうな気もする映像でしたが、実際にはSpotMiniは感情を持たない「ロボット」です。それだけに、裏を返せばロボットが「感情を持っている」という風に見えるまでに進化したことを意味しているのかも。YouTubeのコメント欄の最後でボストン・ダイナミクスが「注:このテストではロボットをいら立たせたり傷つけたりはしていません」とジョークっぽく書いているのも、そんな進化を感じさせる部分です。