米ミシガン州アナーバーのホールフーズ・マーケットの店舗(2012年5月)。 Photo by , under CC BY 3.0.


 米アマゾン・ドットコムは、昨年、米高級スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)」を買収したが、その後、着実にこの事業の拡大を図っている。

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5%引きを初めて実店舗で提供

 そうした中、同社は2月20日、アマゾンのPrime会員で、提携Visaカードを持っている顧客は、ホールフーズで買い物する際に、5%の割引が受けられると発表した。

 これは「Prime Rewards Visa Card」というクレジットカード。これまでは特典として、アマゾンのサイトでの買い物の際に、5%引きがあったり、提携する商店などで1〜2%引きがあったりした。しかし、同社サイト以外での買い物で、5%引きを提供するのは、これが初めてだ。

 また、アマゾンは、「Amazon Rewards Visa Card」と呼ぶ、非Prime会員向けクレジットカードも用意している。

 このカードは、アマゾンでの買い物の際には3%の割引が、提携する商店では1〜2%の割引が受けられるというもの。アマゾンは今回、こちらのカードもホールフーズで使えるようにした。これを使えば、店舗で3%の割引が受けられる。

買収直後から大規模な販促

 アマゾンが、ホールフーズの買収手続きを完了したのは、昨年の8月末。それ以降同社は、さまざまな施策で、顧客の囲い込みを図っている。

 例えば、買収完了直後、ホールフーズ商品の価格を引き下げた。米テッククランチによると、このほかにもアマゾンは、感謝祭やバレンタインデーなどの季節割引セールを行うなど、大規模な販促施策を展開している。

eコマースとの相乗効果

 興味深いのは、同社ならではの施策として、eコマースとの相乗効果を狙っている点だ。そのうちの1つが、「365 Everyday Value」というホールフーズの自然食品PB(プライベートブランド)商品のネット販売。

 eコマースの販売分析を手がける米ワンクリックリテールによると、昨年9月からの4カ月間における、生鮮食料品ネット販売事業「AmazonFresh」の米国売上高は、1億3500万ドルに達し、1年前の実績から35%増加した。ホールフーズ商品のネット販売が、売り上げ増大に寄与したと、ワンクリックリテールは分析している。

(参考・関連記事)「アマゾン、ホールフーズの買収効果が明らかに」

  アマゾンは、ホールフーズ商品の即日配達も開始した。商品を最短1時間以内で配達するPrime会員向けサービス「Prime Now」で、ホールフーズの肉や魚介類、地元産の食品、生活用品などの商品を販売している。

 こちらは、今のところ地域限定のサービス。テキサス州のダラスとオースティン、バージニア州のバージニアビーチ、オハイオ州のシンシナティのみで展開している。

 ただ、アマゾンはこのサービスを拡大する計画。「2018年中に米国のさまざまな都市で、サービスを提供する」としており、ホールフーズ事業をこれまで以上に積極展開していく考えだ。

(参考・関連記事)「アマゾン、eコマースと実店舗の統合を本格化」

筆者:小久保 重信