昭和電工は14日、前期(2017年12月期)の決算を発表した。売上高は7,804億円(前年比116%)で、営業利益は石油化学事業の好調と黒鉛電極事業の大幅改善により774億円(同184%)の大幅増益になった。

【こちらも】安川電機、中期計画による自動化推進・顧客ニーズ取り込みで高収益企業へ

 昭和電工は、1926年森コンツェルングループの日本沃度(株)が海藻からヨードを抽出したのが始まりで、1928年には味の素グループと共同で昭和肥料(株)を設立し国産初の硫安を製造した。国産アルミニウムを工業化した日本電気工業(株)と昭和肥料(株)が1939年に合併して、昭和電工株式会社が設立された。

 昭和電工は電気化学から出発して、無機化学・有機化学・金属材料などへと発展を遂げ、現在は情報通信産業、自動車産業に用いられる素材・部品や、生活に必要な製品を作っている。

 個性派事業の拡大を目指して、世界的な黒鉛電極事業会社「SGL GE社」を完全子会社化し、日本、米国、中国に加え欧州、東南アジアにも製造拠点を有する無鉛電極事業のリーディングサプライヤーとなった昭和電工の動きを見ていこう。

■前期(2017年12月期)実績

 売上高は7,804億円(同116%)で、営業利益は358億円増の774億円(同184%)であった。

 営業利益大幅増の主な要因としては、2017年10月に子会社化したSGL社が貢献した無機事業128億円、オレフィンの好調による石油化学事業127億円、ハードディスクの増販によるエレクトロニクス事業の69億円の増益などによるものである。

■今期(2018年12月期)見通し

 売上高は9,000億円(同115%)、営業利益は322億円増の1,100億円(同141%)を見込んでいる。

 営業利益大幅増の主な要因としては、黒鉛電極の買収子会社が通期寄与する無機事業529億円の増益要因に対し、オレフィンの定期修理、市況悪化による石油化学事業144億円、ハードディスクの減少によるエレクトロニクス事業59億円などの減益要因によるものである。

■中期計画「Project 2020+」による事業推進

 2016年からスタートした5カ年計画で個性派事業拡大を中心とする次の戦略を推進する。

 1.個性派事業の拡大 数千億円規模の市場でトップシェアを握り、収益性と安定性を確保する。

 ・大容量ハードディスク(市場規模4,000億円、シェア25%): 21世紀の石油資源ビッグデータの保存に不可欠 ・電子材料用高純度ガス(市場規模1,500億円、シェア25%): 半導体、液晶パネル、LED、太陽電池などの電子回路作りに必要 ・黒鉛電極(市場規模3,000〜5,000億円、シェア30%超): 鉄資源のリサイクルに欠かせない電気炉に必要

 2.事業ポートフォリオの改善

 ・成長加速事業の拡大: 電子材料用高純度ガス、アルミ缶、機能性化学品の生産能力拡大と海外拠点の拡充 ・優位確立事業の拡大: 正負極材料と電気自動車向けパワー半導体の能力増強 ・基盤事業の収益体質改善: ハードディスクと黒鉛電極の能力適正化、基礎化学品と産業ガスの収益性向上 ・再構築事業の構造改革進展: セラミックスは不採算のICAと汎用アルミナから撤退、アルミ機能部材は拠点統合による合理化、レアアースは固定費削減

 3.海外売上比率の拡大 「成長加速事業、基盤事業」で積極的に海外進出と拠点拡充を進め、2018年50%弱の海外売上高比率を2025年には60%を目指す。

 化学の力で夢の具体化に挑む昭和電工の動きを今後も見ていきたい。