各社から相次いで360°を同時に撮影できるカメラが登場し、いまや世の中はまさに“VR全盛時代”。そんななか、昨年9月、アクションカメラで有名なGoProから満を持して360°カメラ「Fusion」が登場した。日本での正式発売がいつなのか関心は日ごとに高まっていたが、家電量販店での発売が4月に決定。その告知を兼ねた体験イベントが東京都内で開催された。

↑4月より家電量販店での販売が開始されるGoProの360°カメラ「Fusion」。同社のオンラインサイトでの実売価格は8万8000円(税込)

 

まるでジンバルを使っているような安定感はさすが!

Fusionは、全天球のVR動画が撮影できる360°カメラ。動画では5.2K/30fpsと3K/60fpsで、静止画では1800万画素で360°撮影を実現している。高度な手ブレ補正の能力を搭載しており、手持ちであってもまるでジンバルを使っているような安定感のある映像が撮影できるという。Fusionはすでに同社のオンラインサイトでは販売が開始されており、価格は8万8000円(税込)となっている。4月に販売される家電量販店での販売価格は未定。

↑「Fusion」の主なスペック

 

この日は、第1部でGoProのバイス・プレジデントであるRick Loughery氏がFusionの魅力をプレゼンしたあと、「GoPro Awards」でWinnerとなったCGクリエイターの普光江 新さんが登場。これまでに生み出した作品を披露しながら、Fusionがかき立てる創造力の素晴らしさを語ってくれた。

↑GoProのバイス・プレジデントであるRick Loughery氏が挨拶

 

↑「GoPro Awards」でWinnerとなったCGクリエイターの普光江 新さんがFusionで表現できる楽しさを語った

 

↑普光江新さんがFusionを使って撮影したオリジナル作品

 

続いてフロアを移動して第2部のFusionの体験会が開催された。

 

4つのマイクで臨場感あふれるサウンドを実現

まずFusionのボディは、同社の「HERO 6 Black」などよりも厚みこそないものの、投影面積は大きく一定のサイズ感はある。前後非対称の位置にカメラを1つずつ備え、この2つのカメラで360°撮影を行うのだ。360°撮影では、気になる三脚や自撮り棒のアームの部分だけをキレイに消すことができる。また、音声は自然な360°動画が作れる4つのマイクを搭載し、全方向から収録した音が臨場感あふれるサウンドを実現。10か国語での音声コントロールにも対応しているという。

↑前後にオフセットして搭載された2台のカメラが180°ずつの映像を撮影し、継ぎ目のない360°動画を自動生成

 

↑充電やデータ通信用に使うUSB端子は「typeC」を使用する

 

特にハウジングは用意されていないが、アクションカメラには欠かせない防水機能は本機単体で5mまでに対応する。水中でも360°撮影は可能であるものの、光の屈折の影響もあって映像を合わせる際に継ぎ目が出やすくなってしまうそうだ。そのほか、タイムラプスビデオ&フォト、ナイトプラス、バーストモードなど、GoProでお馴染みの機能も360°撮影に対応して搭載されている。

↑「Fusion」の同梱されるキット。専用ケースやバッテリー、マウントのほか、三脚兼自撮り棒の「Fusion Grip」が付属

 

↑カメラモードでは、夜間の低速度撮影モード「ナイトラプス」など多彩な機能が用意された

 

動画から映像を切り出す新機能が手軽&便利!

そんな魅力いっぱいのFusionで最も注目すべきは、新機能「OverCapture」を搭載したことだ。これは360°で撮影した動画から必要な画角の映像を切り出す編集機能で、切り出せる解像度は5.2Kで撮影した場合はフルHD(1920×1080)が、3Kで撮影した場合はHD(1280×720)が作り出せる。

 

この使い方として最も有効なのは、とりあえずはカメラの向きを気にせず撮影し、あとから任意に切り出す方法だ。つまり、撮影さえしておけば360°をカバーできるので、アングル上で取り逃すという心配は一切ない。しかも素晴らしいのはその使い勝手で、iPhoneやiPadなどのアプリを使い、再生時に切り出したい部分を撮影するように追いかければ自動的にその内容が保存される。その便利さは一度使ってみれば手放せなくなるほど。PCを使って本格的な動画編集もできるが、その場合にはプラグインソフトなどが必須だ。

↑スマホには「GoProアプリ」を、PCでは「GoPro Fusion Studio」にAdobeのプラグインソフトを組み合わせて使う

 

この機能は様々な利用シーンが想定される。たとえば、アスリートの表情と視点の先を同時にピクチャーinピクチャーする場合、いままでなら2台のカメラが必要だったが、Fusion なら1台で済んでしまう。これはプライベートユースでも十分に有効だろう。注意点としては、前後のカメラ1つずつに専用の記録メディアが必要で、つまりは2枚のマイクロSDカードが欠かせない。どちらか一方がない状態でも撮影はできなくなるのだ。

↑前後のカメラごとに専用のメディアが必要で2枚のマイクロSDカードは常に欠かせない

 

体験会では「幅広い層に使ってもらいたい」という話だったが、8万円を超えると予想される価格設定と、このマニアックな仕様のため、まずは一般向けというよりもプロの現場での利用が想定されそう。創造力をかきたてるFusionがどのように使われていくのか、今後も注目したい。