「ウインドウメイト」を担当する執行役員 事業本部の小野寺英幸 本部長

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 床掃除のロボット掃除機市場が成熟しつつある中で新しいタイプのロボット掃除機が登場した。韓国のRF社が開発した窓拭きロボット「ウインドウメイト」だ。販売するのは、かつて「ルンバ」の日本販売総代理店を務めたセールス・オンデマンド(SODC)。ロボット掃除機の日本上陸まもない時期から市場の普及に貢献した同社は、どのように窓拭きロボットを売り込むのか。製品を担当する執行役員 事業本部の小野寺英幸本部長に話を聞いた。

 2016年末に業務用として先行展開していた「ウインドウメイト」。当時はまだ一般向けのモデルは開発の構想があっただけだった。小野寺氏は「業務向けに需要があることは明らかだったが、調査をしてみると意外に一般家庭にも需要があることが分かった。月1回の頻度で窓拭きをしている人が約25%いて、ビジネスチャンスがあるのではないかと考えた」とコンシューマ市場参入の理由を語る。

 実は窓拭きロボットというカテゴリそのものは数年前からあったが、話題になることは少なかった。既製品に目を向けると、掃除性能自体は十分に備えているものの、稼働時はACアダプタに接続する必要があり、取り回しが悪かった。窓の内と外を同時に掃除できるという分かりやすい特徴をもつ「ウインドウメイト」だが、実用的な側面でのブレイクスルーは、磁力によってワイヤレスの稼働を実現したことだ。

 これまでの窓拭きロボットは“窓を動き回る力”と“窓に張り付く力”でバッテリーを消費したが、「ウインドウメイト」は磁力で窓に張り付くので、バッテリーの全てを“窓を動き回る力”に割り当てることができる。「バッテリー切れしても窓から落ちることはない」とのことで安全にもつながる。意外にも多くのメリットがあるのだ。

 しかし、それでも新規カテゴリがブレイクするにはきっかけづくりが必要になる。「『ウインドウメイト』はすぐれた製品だが、いきなり購入していただくのは難しい」と小野寺氏もハードルの高さを認める。そこでSODCはまず「窓」そのものに意識を向けさせる戦略をとる。具体的には、窓の厚さを測定する販促ツールを活用する。

 「ウインドウメイト」は窓の厚さごとに4モデルを用意しており、購入前には掃除する窓の厚さを把握しておく必要がある。これを逆手にとり、まず「窓に厚さがある」というメッセージを発信し、ツールを手に取ってもらう。「そのときに購入動機はなくても、窓の厚さを図るツールという部分で関心をもっていただく。そこから『窓掃除』、そして『窓拭きロボット』とステップを踏んで関心度を高めていきたい」(小野寺氏)。

 油汚れやタバコのヤニなど、日常生活で発生する汚れには問題なく対応するが、小野寺氏が薦めるのは「キープクリーニング」をフックにした提案だ。「常にきれいな状態を保つことはQOL(Quality Of Life)につながる。床拭きのロボット掃除機も掃除の頻度が上がることで満足度が高まったという声もあった」。

 実際に使用して感じたのは、安全面に対する配慮が行き届いていることだ。初めて手に取ったときは本体が思ったより重く、ひょっとすると窓の取り付け時に落としてしまうかもという不安がよぎったが、付属する着脱防止ストラップをつけていれば、高所で手を滑らせても落下しない。窓を挟んで本体をくっつけるときも想像より磁石が強力で取り付け時に窓が割れてしまうのではないかと心配したが、取り付け補助パッドを使っていればそっと磁石をくっつけることができる。

 万が一、本体あるいは窓ガラスが破損しても、ユーザー登録特典で個人賠償責任保険が1年間無料で付与されている。こうした先回りした配慮はロボット掃除機販売のノウハウを蓄積しているSODCならではだろう。販売の現場でも、これらの知識を伝えることで、事前に顧客の不安を取り除くことができそうだ。(BCN・大蔵 大輔)