国宝「風神雷神図屏風」をHoloLensで体験しよう!京都・建仁寺で「MRミュージアム」2月22日より


日本マイクロソフトと博報堂は、国宝「風神雷神図屏風」を「HoloLens」を通して鑑賞するイベント「MRミュージアム in 京都」を、建仁寺と京都国立博物館で期間限定開催します。

Engadget日本版編集部では、日本マイクロソフトの招待を受け、同イベントを取材しました。詳細レポートは後日公開予定です。

「MRミュージアム in 京都」は、3Dホログラフィックゴーグルの「HoloLens」を着用して、建仁寺の国宝「風神雷神図屏風」を鑑賞するイベントです。「風神雷神図屏風」の実物(展示用レプリカ)と3Dホログラフィックスが融合したMR(Mixed Reality:複合現実)コンテンツを10分間にわたり体験できます。

具体的には、「HoloLens」越しに僧侶がホログラムとして現実世界に登場し、「風神雷神図屏風」の制作意図などを体験者に解説する内容になっているとのこと。さらに、「風神雷神図屏風」に重ねて、雷や雨、緑豊かな大地、宇宙空間などのグラフィックスを表示します。演出はHoloLensだけに頼らず、照明や音響など室内全体で表現することで、より臨場感のあるMR体験を実現したといいます。





ホログラムとして出演する建仁寺の僧侶・浅野俊道氏は、3D撮影時の苦労について次のように語ります。

「撮影に際して、アメリカのシアトルにある専用スタジオに行きました。周囲がすべてグリーンバックの中に放り込まれて、約100台のカメラに囲まれる中でセリフを喋ります。普段は現物のそばで喋るのですが、モノがないなかで説明するのは大変でした」(浅野氏)

●HoloLensとは

HoloLensは、マイクロソフトが開発した3Dホログラフィックスゴーグルです。一見するとVRゴーグルに似ていますが、視界を遮らずに、現実世界にオブジェクトを重ねて表示する点が特徴。マイクロソフトはこれをMR(Mixed Reality)と呼び、VRやARと区別しています。


「我々は現実世界にいますが、0と1で作られたコンピューターの世界もあります。この2つの世界を融合したものがMRです。物理的な世界とデジタルの世界が分け隔てることなく、一つの情報空間として、今までにない空間・価値を作ることができます」(日本マイクロソフト 平野拓也社長)

17世紀に描かれたとされる風神雷神図屏風は、俵屋宗達の最高傑作とされ、風神・雷神といえばまずこの屏風絵がイメージされるというほど知られています。風神・雷神図といえば尾形光琳の作も知られているものの、こちらは宗達の図を基にして描かれたとされています。宗達の風神雷神図は、そのレプリカが2008年洞爺湖サミットの会場にて展示されました。

HoloLensを活用し、従来とは違った視点から風神雷神図屏風を楽しむことができる「MRミュージアム in 京都」は京都市東山区の建仁寺本坊で2018年2月22〜24日に体験が可能。時間は10時〜16時。ついで、京都国立博物館でも2018年2月28日から3月2日の日程で11時〜16時に体験できます。