NTTドコモは、ドローンを活用したビジネスを支援するためのプラットフォーム「ドローンプラットフォーム docomo sky」を開発した。同プラットフォームを利用した最初の取り組みとして、大規模ソーラーパネルの自動点検・分析サービスが3月から開始されるほか、初期導入の支援セット「ドローンスターターサポート」を春に提供、2018年中にも商用サービスとしての開始を目指す。

 新しいプラットフォームでは、ドローンとプラットフォームがセルラーネットワーク(携帯電話網)で常時接続されることで、複数台の同時飛行や目視外での遠隔操作、機体情報管理、機体が取得したデータのリアルタイム管理など、さまざまな一連の運用が、Web上のインターフェースで一元的に管理できる。具体的には、Webインターフェースでフライトプランの作成や、計測したデータの管理・分析までが行える。

 ドコモは今回の取り組みに先駆けて、2016年10月にドローンプロジェクトを本格的に開始しており、無人宅配、遭難者捜索、浮遊する球体ディスプレイ、自社基地局の点検など、自社活用や実証実験を通じてさまざまに事業性を検証してきた。この過程で社内にドローンのパイロットが100名にまで増えたという。

 「docomo sky」はドローンをビジネスで活用できるように、トータルでサポートするプラットフォームで、その対象分野は農水産業、公共インフラ、配送、災害把握、エンターテインメント、警備、点検など幅広い。

 ドコモではこうした幅広い産業での活用を促進するため、「セルラードローン・オープンパートナーイニシアティブ」を発足。AIや5Gでの取り組みと同様に、各企業の事業への活用を、検討・検証していく。またドコモ社内では4月1日付けで「ドローンビジネス推進室」を設置、ドローンビジネスの加速・強化を図っていく構え。

 さらに、東京電力ホールディングスと、ドローンの次世代インフラ基盤の整備で共同検討を開始したことも明らかにした。これには、東電が保有する送電線をドローンの飛行ルートとして活用したり、ドローンの充電用基地を整備したりする取り組みも含まれるなど、さまざまな連携が検討される。

 ドコモでは「docomo sky」の事業計画について、詳細はこれから策定するとしているものの、売上は2020年までに数十億円、5年後には100億円台を目指すとしている。

セルラードローンとドコモが提供する通信デバイス

青いボックスがLTE対応の通信デバイス。白いドームはドローン本体側に装備のGPSアンテナ

通信デバイスの左側のアンテナはGPS用で、残りの2本はセルラー用

セルラードローンはリアルタイムのデータ取得や目視外での遠隔制御も可能

プラットフォームの特徴

Webインターフェースのデモ画面、フライトプランの作成

飛行ルート

分析レポート(イメージ)

ソーラーパネル自動点検・分析に利用

ドローンスターターサポート

ビジネスモデル

セルラードローン・オープンイニシアティブ

さまざまな分野で共創を図る

東電とも共同検討を開始

ロードマップと規制動向

ドコモ社内にドローンビジネス推進室を設置

中期戦略に沿った発展を目指す

ドローンビジネスの意義、規制への対応

 21日に開催された発表会に登壇した、NTTドコモ 代表取締役副社長の中山俊樹氏は、ドコモがドローンビジネスに本格的に参入する意義として、将来的なドローンの活用では、特に目視外飛行など広範囲の運用ではセルラー網が必要になることを挙げる。またAIや画像解析など関連して必要になる技術をNTTドコモグループとして開発に取り組んでいること、飛行に際する認証機能はモバイル網で運用実績があることなども、ドコモが提供する意義や強みになっているとした。

NTTドコモ 代表取締役副社長の中山俊樹氏

 ドローンの飛行に関する新たな規制や方針は、今後決まるものも多く、特にレベル4に分類される、目視外飛行かつ友人地帯での飛行に関する規制がどのような内容になるのかは、ドローンビジネスに大きく影響する。中山氏は、規制が強すぎると発展を阻害するという認識を示す一方で、たとえばセルラードローンは一般の携帯電話向けの電波を共用することから、運行がネットワークにどう影響するのかなどの点で「丁寧に作っていきたい」としており、規制の側にも「慎重さは必要」と一定の理解を示す。

 また、「実利用の実績が出て来ると、規制緩和のスピードも変わってくるだろう」とし、運用実績を貯めることで規制に対しポジティブな影響を及ぼせることも示唆している。

質疑応答

囲み取材に応じる中山副社長