缶にビールが高速充てんされていく工程をリアルに体感できる(VRシステムの画像)

写真拡大

 キリンビールは名古屋と仙台、取手、福岡の4工場で、仮想現実(VR)の工場見学システムを導入した。パッケージングラインの製造停止時に設備の前で専用スコープをのぞくと、ビールを充てんして次々と缶に詰める様子などを臨場感をもって体験できる。キリンビールの国内9工場でVR見学システムを導入したのは岡山、横浜に続き、今回で合計6工場になる。リアリティーな見学により見学者の満足度を高め、ブランド向上に役立てる。

 ビール工場は見学後に試飲ができることもあり、食品工場の見学の中でも人気が高い。ただ工場の生産ラインは休日は稼働していないことも多く、ビデオだけの上映になるためラインが高速で動くさまを見学者にどう伝えるかが課題だった。

 VR見学システム映像製作はNTTドコモが手がけた。VRのため、360度全周の視界が体験でき、ライン上を高速で流れる缶にビールが次々と注がれ、閉栓するさまを上下や左右方向など、見学者がスコープを操作することで映像が変化し、臨場感が味わえる。

 9工場を訪れる見学者総数は年間で80万人強とみられ、見学の“満足度”を高められれば商品への好感度もアップし、購入増につながる。

 同社の見学者調査ではVR見学を体験しない場合の工場見学満足度は48%だったのが、体験後は89%へ高まった。キリングループ企業のメルシャンのワイナリー見学でもVRを導入済み。今後もデジタルやバーチャル技術の有効活用を図る計画としている。