電信柱と電線の点検は負担になっている(右がNTTの電信柱)

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 NTT東西地域会社は人工知能(AI)を用いて、電信柱の傾きと電線のたわみを効率的に点検するシステムの実証実験を開始した。カメラの撮影映像と、レーザーで測定した位置情報などをAIで分析して劣化箇所を特定し、3次元(3D)地図上に描画する。両社は人手不足が喫緊の課題。現在、熟練作業者が担当する点検作業をAIで支援することで、省人化と業務効率化を図る。2018年度内にも正式導入するとみられる。

 カメラやレーザースキャナー、全地球測位システム(GPS)アンテナなどを車両に載せ、移動しながら空間情報を取得する測量技術「モービルマッピングシステム(MMS)」を活用する。

 地形や設備、建物などの詳細な3Dデータの取得を可能とした。設備点検は従来、技術者を現地に派遣し目視で点検する必要があったが、AIの活用により無派遣での点検が可能になる見込み。

 MMSで取得した電信柱や電線の状況、位置情報などはデータベースに登録する。収集したデータと、これまでに両社が蓄積してきた電信柱や電線の故障修理データをAIで分析。修繕が必要な箇所を3D地図に描画していく。車両は設備工事を担う子会社の社有車などを活用する計画だ。

 両社は都市部や山間部、沿岸部など、多様な場所で試験的に点検車を走らせ、実証している。試験導入で得たノウハウを基に分析精度を高めていく。

 NTT東西地域会社は16年度末で全国に約1185万本の電信柱を保有する。5年ごとの目視点検を原則としている。