Image: Adam Clark Estes / Gizmodo US

先日、DJIからスマホサイズに折りたためるドローンMavic Airが発売されました。もともとコンパクトなMavic Proのさらに小さな弟分という位置づけながら、レビューした米GizmodoのAdam Clark Estes記者は「もう大きいドローンじゃなくて、こっちの方がいいよ!」と絶賛しています。どのへんが良いところなのか、欠点はないのか? 以下どうぞ!

ここ2、3年で、ドローンにはふたつのことのいずれかを求められるようになりました。出来の良さ、またはコンパクトさです。でもそれら両方を同時に実現するのは無理でした。

が、Mavic Airはそんなゲームを変えようとしています。そして僕が思うに、Mavic Airはこのゲームに勝利しているし、それによって市場がもう変わってしまったのです。

重量1ポンド以下(430g)、全長6インチちょっと(168mm)のDJI発折りたたみドローンは、手のひらに十分収まります。大きめの兄貴分・Mavic Proは、折りたたんだ状態でもずっしりしたイタリアンサンドイッチくらいだったのに対し、Mavic AirはBLTサンドをさらに半分にしたような感じです。広げても、フリスビーより小さいです。あまりに小さくて、DJI最小ドローンのSparkがバカらしく感じるほどです。Sparkは折りたためないですからね。

Image: Adam Clark Estes / Gizmodo US

DJI Mavic Air

それは何?:小さな折りたたみドローン

価格:800ドル(日本価格:税込10万4000円)

好きなところ:頑丈で、動画がきれいに撮れること

好きじゃないところ:寒いと震えること(このレビュー公開後にアップデートがリリースされました)

Mavic Airのサイズはむしろ小さすぎると言ってもいいくらいですが、その小さな体にはありえないくらいの機能が詰まっています。たとえば「APAS」(Advanced Pilot Assistance Systems、高度操縦支援システム)、これは障害物を検知し、回避する機能です。Mavic Airにはカメラが前方・後方・下方に各ふたつ、それにメインカメラと計7つ搭載されているので、周りの3Dマップをリアルタイムで生成できるのです。そして障害物を検知したときは停止するんじゃなく、自律的にその上か横を通り抜けていきます。ただしAPASがオフのときは、障害物の前で止まります。Mavic Proの障害物検知用カメラは前方・下方だけだったので、それより高度になってます。後方カメラ搭載のコンシューマ向けドローンは、DJIでは他に1,500ドル(日本価格:税込18万9000円)のPhantom 4 Proだけです。対してMavic Airの価格は、たった800ドル(日本価格:税込10万4000円)です。

つまり800ドル出せば、1,000ドル(日本価格:税込11万9800円)のMavic Proと同じくらい安定していて、かつ巨大なPhantomより速いドローンが手に入るんです。Mavic Airの最大時速は42.5マイル(68.4km)に達します。それにカメラのビットレートもMavic Proより高く、動画クオリティまで良くなっているんです。新しいフライトモード「ブーメラン」と「アステロイド」も加わっていて、それらは従来のDJI製ドローンでは使えないものです。こうした新機能も、ドローンとしての基本的機能も(ニューヨークのバカみたいな寒空の下で)試してみましたが、素晴らしい出来でした。テスト結果の詳細については後述しますね。

新機能やカメラの違いを除くと、Mavic AirはMavic Proをよりコンパクトにしたものだと言えますが、サイズの小ささにはデメリットもあります。たとえばMavic Airのカメラはセンサのサイズが小さいので、Mavic Proのカメラに比べると暗い場所の撮影が苦手です。バッテリーも小さいので、Mavic Proが27分間飛べるのに対し、20分間しか飛べません。また最大伝送距離は、Mavic Proの4.3マイル(7km)の半分ほどの2.4マイル(約4km)です(ただし日本仕様では2km)。なのでMavic ProはMavic Airより高いんですが、買う意味はまだあります。それでもほとんどの人にとっては、小さくて頑丈でほとんど壊れそうにないMavic Airの方が魅力的じゃないかと思います。

Mavic Airは、アドベンチャー的な場面で本領を発揮します。どんなバックパックにもちゃんと入るし、29ドル(日本価格:税込3,600円)のキャリングケースがあれば服のベルトなんかに引っかけることもできます。軽いので、ハイキングでも山登りでもスノーボードでもどんな場面でも、持ち運んでいることを意識せずに済みます。

Image: Adam Clark Estes / Gizmodo US

Mavic AirはMavic ProとかSparkとは違い、プロペラが折りたたみ式じゃありません。折りたたみプロペラは角度がおかしくなりがちだし、カバンの中で引っかかったりすることもあるので、そうじゃない方が良い面もあります。ただMavic Airのプロペラもカバンやポケットに引っかかりやすく、やり方によっては折りたたみにくくなってしまうこともあります。

Mavic Airの飛ばし心地はMavic Proとも、Phantom 4とさえも同じです。リモコンはSparkとほぼ同じですが、スポーツモード用のスイッチがあり、ジョイスティックはネジ式で外れて、リモコン内部に収納できます。これによってリモコンをカバンから出し入れするときもスムースです。リモコンの下の部分を開くと、スマートフォンをはめ込むマウントになり、アプリを立ち上げるとMavic Airがリモコンとつながって飛ばせるようになります。接続に手間取ったという説も何件か見たんですが、僕はまったく問題ありませんでした。ただ僕としてはスマートフォンを使わなきゃいけないことと、リモコンのマウントがしっかりはまらないことがあるのが好きじゃないんですが、でもドローンのリモコンに完ぺきなんてものはないってこともわかってます。

Image: Adam Clark Estes / Gizmodo US

Mavic Airを飛ばしてまず気付くのは、そのスピードです。Mavic Airはすごく速い、または少なくとも速いと感じられます。その小ささと、それによって可能になる素早いハンドリングのせいかもしれません。小さいということは、ジョイスティックのほんの小さな動きでもやや大きく反映されるということです。Phantom 4の飛び方がハーレーだとしたら、Mavic Airはダートバイクのようです。そして楽しいです! 基本的な動き、たとえば夕日のパン撮影は簡単に、安定してできます。でももっとワイルドにするなら、スイッチを切り替えて「スポーツモード」にして最高速度を出すこともできます。ただスポーツモードでは障害物回避機能が使えないので、そこは要注意です。僕は以前このことを身をもって学びました。

Sparkと同様、Mavic Airではジェスチャー操作が使えます。つまりドローンに向かって手を動かすことで、上下左右への移動基本的な操作が可能です。あと新しいジェスチャーとしては、両手を離したりくっつけたりすることで、ドローンを前進させたり後進させたりできます。ジェスチャー操作は、実用上はセルフィーを撮るために使える程度で、どっちかっていうと人に見せて楽しむ的なギミックではあります。でもSparkではちゃんと機能しなかったのに対し、Mavic Airでは使えるようになってます。

Image: Adam Clark Estes / Gizmodo US

Mavic Airの本当に素晴らしいところは、カメラのクオリティです。スマートフォンのカメラと比べても大して大きくないのですが、Mavic Airの動画は素晴らしいです。箱から出したまま設定とかいじらなくても、Mavic Airのカメラはとても滑らかで驚くような空中写真がたくさん撮れます。3軸ジンバルも素晴らしいですが、ガタつくことがあったら途中で調整しなきゃいけないかもしれません。より大きなジンバルを搭載したMavic Proでも同じようなことがありました。

そんなわけで、Mavic Airはとにかく素晴らしいです。とはいえ今あるドローンの中で一番安いというわけでも、最先端というわけでも、完ぺきなわけでもありません。上に書いたようないくつかの欠点の他にも、離陸直後に振動するという問題もあるようで、YouTubeにはこの問題を報告する動画がたくさん上がっていますし、僕自身も同じことを経験しました。この問題は気温によるもののようで、モーターが冷えていると振動するみたいですが、温まれば振動が収まってきます。そしてDJIいわく、この問題を解決するファームウェアアップデートをリリースしたそうです。このへん以外は、僕にとってMavic Airはとにかく楽しいだけでした。

Image: Adam Clark Estes / Gizmodo US

というかもはや、これより大きいドローンに高いお金を払う意味がわからないくらいです。Phantomがそうだったように、今はMavic Airがほとんどの人にとってベストなドローンになったのだと思います。伝送距離やバッテリーライフをもっと大きくしたい場合はMavic Proで良いと思いますが、そうでなければMavic Airの方が、小さいパッケージに必要なものが全部詰まっています。この小さなドローンにできることといったら、まったく普通じゃありません。僕は、これほどのものは今のところ他にないと安心して断言できます。少なくとも、DJIが次なるクレイジーなドローンを作り出すまでは。

まとめ

・折りたたんでも折りたたまなくても、超小さくてポータブル

・3軸ジンバルに載った小さなカメラが捉える、夢のような4K動画

・前方後方ともにそろった、このクラスで最高の障害物回避機能

・800ドル(日本価格:税込10万4000円)に対してとんでもないコストパフォーマンス

Image: Adam Clark Estes / Gizmodo US

Additional reporting on photography by Michael Roselli


Image: Adam Clark Estes / Gizmodo US

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)