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前回、住宅ローンの種類をまとめましたが、今回はそれに続いて、自分たちに最適なタイプはどのようにして選択すればよいかを考えてみましょう。誰にでも最適なものもあれば、家庭の状況によって異なるものもあります。

○■住宅ローンの比較ポイント

下記の表は、住宅ローンの借り入れの際に検討する項目の主なものです。チェックリストにしてあります。自分たち独自の項目があれば、追記して検討ください。それぞれの項目の注意点をいくつか紹介しておきます。

○金利

団体信用生命保険などの諸費用が含まれた利率になっている場合もあり、表面的な値だけでは判断できません。必ず金利の中に含まれているものを確認ください。また通常は元利均等返済ですが、元金均等返済を選択する場合は、扱っている銀行が限られます。

○融資手数料

定額型と定率型があり、若干の金利の設定が異なります。

○合わせ融資等

フラット35と一般の住宅ローンを組み合わせたり、今まで住んでいた住まいを売却せずに賃貸にするために借りていた住宅ローンをアパートローンに借り換えたりするなど、扱いは事前に確認が必要です。

○つなぎ融資

住まいを建設する場合、着工金1/3、中間金(棟上げ時)1/3、完成金1/3となっているのが一般的です。融資は(出来高払いの住宅ローンを除く)建物が完成して検査を受けてからとなります。着工金と中間金の支払いは手持ち資金で不足する場合、つなぎ融資を受ける必要が生じます。

○リフォーム融資

最近は中古マンションを購入と同時にリノベーションやリフォームを行うケースも増えてきています。購入資金のほかにリフォーム等の資金も合わせて融資を提供しているケースも増えました。

○団体信用生命保険

通常は強制加入になっていますが、各社のローンによっては、内容は多少異なります。特に配偶者などと収入合算する場合など、配偶者が連帯債務者等になる場合の配偶者の保障は重要なポイントです。また、別建てで支払うのか金利に組み込まれているかも確認ください。

○保証料

保証料はかなりの額になります。金利に組み込みの場合もあります。フラット35のような証券化ローンは保証料不要です。

○繰り上げ返済の手数料

繰り上げ返済は住宅ローンのリスクを少なくする方法の一つです。ただし、1円から手数料なしで繰り上げ返済できるところもあれば、手数料は無料でも1回に行える額の下限が決められている場合もあります。手数料が有料の場合は、ある程度金額がまとまっていないと、総返済額の削減にはならないこともあります。

○独自の優遇措置

キャンペーンなどで短期間でも有利な条件を設定している場合もあります。ただし、減税分も含めたすべての優遇措置分は、必ず別口でプールして繰り上げ返済等に活用ください。

○口座銀行

金融機関に融資を行う条件設定が決められています。しかし、実際はその人となりを見て判断する部分もあるのです。長年コツコツと貯金を積み立ててきた銀行で住宅ローンを借り入れた場合、何かしらの要因で一時的に返済が難しくなりそうな場合、銀行が立て直し可能と判断したならば、今までの実績を見て相談に乗ってくれないとも限りません。もちろん返済額を減額はしてもらえないでしょうが、何らかの融通を得られて、立て直せる確率が少しは高くなるかもしれません。

○万一の場合のリスク回避の方法を考えておこう!

人生には思いがけないことが起きるのが常です。住宅ローンは大きな借財ですので、その影響も少なくありません。事前に万一の場合に生活を立て直す方法を考えておくべきでしょう。自分の収入、配偶者の収入(無収入の場合は、働いた場合に得られると思われる収入)、預貯金等の資産、取得する住まいの資産価値や市場価値、一時的に援助を受けられる親など、自分たちが持っている余力を検証してみましょう。

私はマンションを購入するときに、万一返済が難しくなった時のために、購入前に付近の同程度の物件の家賃を調べました。貸した場合はどのくらいの家賃が見込めるかを知りたかったのです。家賃収入から管理費等の経費と返済額を差し引いても、何とか小さなアパートを借りることができる金額と分かり、安心しました。生活費を全部賄うには不足しますが、最悪実家に間借りすれば家賃はいりませんし、十分に生活もできます。駅前だったので空室はあまり考えなくてもよい点も有利でした。最悪売却となっても、さほど価値も下がらず売却できたと思います。十分に生活を立て直す猶予が生まれるとわかったのは大きかったと思います。

下記の表は、人生と住まいのリスクとその対策の例です。生命リスクは、債務者が死亡した場合や所定の高度障害になった場合は、団体信用生命保険(以下団信)から残債が支払われますが、連帯債務者となっている配偶者の保障は注意が必要です。一番の問題は、団信が下りる程度まででない病気やケガで実質働けないケースです。収入も減り医療費の負担もあります。収入減に対応する団信付きのローンもありますので、他の方法と比較して検討ください。

次回以降はそれぞれのリスクの詳細とその回避方法について詳しく考えてみしょう。