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ワコムからAndroidデバイスとiOSデバイスに対応するスタイラスペン「Bamboo Tip」が発売された。本体の電源を入れるだけで、ペアリングせずともすぐ対応デバイスで使用可能になる手軽さと、1.9mmという極細のペン先を実現しているのが大きな特徴。製品マーケティングを担当するコンシューマー ビジネスユニット プロダクトライフサイクルマネージャーの園田 龍さんに話を伺った。

○気軽に使えて書きやすいペンを

スマートフォンやタブレットを使う際に、あると便利なのがスタイラスペンだ。現在、さまざまなメーカーから多種多様な製品が発売されているが、そのうち、静電容量方式のタッチディスプレイに対応するものを分類すると大きくふたつに分けることができる。

ひとつは、Bluetoothで対応デバイスとペアリングして使用する「スマートスタイラス」。筆圧感知などの機能を持ち、精度の高い描きこみができるのが特徴だ。

もうひとつが、「ペアリングが不要なスタイラス」。こちらは、ペン先に導電性素材(シリコンゴムや繊維など)を備え、かつ電源が要らないシンプルな構造のものが市場に出回る製品の大半を占める。今回、ワコムが発売した「Bamboo Tip」は、そのふたつの間に位置する製品だ。

園田さんによると、「日常で気軽に使えて、既存の導電性素材を備えた静電容量式スタイラスよりも精度の高いものを提供したい」というのが、製品開発のスタート地点だったそうだ。静電容量式スタイラスの場合、操作に必要な静電気量を確保するためには、ある程度ペン先に太さが求められる。そのため、ペンの接地部分に描画した線が隠れてしまいがち。一方、スマートスタイラスは本格的なドローイングにも使える精度を持つが、デバイスやアプリに対応させるためにはさまざまな調整が必要になり、汎用性という点で多少不利がある。

「Bamboo Tipはペン先から伝わる電気信号を増幅することにより、極細のペン先でありながら強い静電気量を実現しています。そのため電源が必要になりますが、仕組み的には静電容量式スタイラスの一種なので、ペアリング不要で幅広いデバイスやアプリで使用することができるんです。思い立ったときにアイデアを書きとめたり、ちょっとしたスケッチを描いたりと、普段の生活の中で気軽に使っていただけますよ」(園田さん)

○目指したのは"ユニバーサルなペン"

実は、Bamboo Tipのように電気信号の増幅で細いペン先を実現した製品は、他メーカーからもすでに発売されている。いずれも実装している機能に大きな差はないが、使い勝手や細かい性能、デバイスへの対応状況は思った以上に異なる。“デジタルペンのワコム”がBamboo Tipで目指したのは、より幅広いデバイスで使える“ユニバーサルなペン”だ。

「例えばAndroidデバイスは、非常に多くのメーカーから製品が発売されています。そのため、機種によって同じ電気信号でもタッチパネルの反応が異なって使えない場合があるんです。じゃあ、Bamboo Tipでは、どれだけの製品に対応するのか。より多くの製品に対応するにはどうするのか。それがチャレンジでしたね」(園田さん)

ちなみにAndroidデバイスほど種類が多くないiOSデバイスの場合も、iPad Proとそれ以外ではタッチパネルの反応が異なる。そこでBamboo Tipでは、より多くの機種をカバーするため、デバイスに合わせて最適な電気信号に切り替えられるスイッチを本体に搭載した。

「お使いの端末でうまく反応しないときは、まずスイッチを切り替えてみてください。ワコムでは1機種ごとに動作確認をしてWebサイトで対応状況を順次公開しているので、そちらも参考にしてほしいですね」(園田さん)

○パッケージにまで徹底的なこだわり

もうひとつワコムがBamboo Tipの開発にあたり重視したのが、筆記具である“ペン”としての使い心地だ。実際に手にするとわかるが、重心バランスが絶妙で持ちやすく、長時間使用しても疲れにくくなっている。

「ワコムのクリエイティブユーザーの中には何時間もぶっ続けでデジタルペンを使用される方も多いのです。その厳しい要求に応えてきたワコムの知見を活かし、本製品のような一般ユーザー向けのスタイラスペンも、より持ちやすく、より書きやすいデジタルペンを目指して各製品を開発しているんです。Bamboo Tipも、長時間のバッテリー駆動といった表面的なスペックだけでなく、長時間の使用に耐えられるようなエルゴノミクスデザインを採用しました」(園田さん)

園田さんによると、重心バランスだけでなく本体の材質や素材感、クリップ部分の形や強度なども熟考を重ねて決められているとのこと。本体のカラーも昨今のトレンドを考慮しつつ、幅広いユーザー層、利用シーンで受け入れられやすい色を選んでいるそうだ。

そうしたこだわりは、本体以外にもしっかり息づいている。例えば、製品を長く使用できるようペン先は交換可能になっているが、好みの書き味が得られるようにオプションの替え芯はソフトとハードの2タイプが用意されている(製品に付属するのはソフトタイプ)。

「実はパッケージにも新しい試みがありまして……。製品を取り出す際に傷がつきにくいという点とエコの観点から、今回は紙を使用しています。もちろん、輸送時や陳列時に破損しないよう、振動試験や落下試験を行って電気的・機械的に問題のないことを入念に確認しています。中のトレーもおもしろい構造になっているので、注目していただけると嬉しいですね」(園田さん)

ほかにも、技適マーク部分がシールになっていて剥がすことができたり、取扱説明書がカラーでわかりやすくなっていたりと、随所に気配りを感じることができる。ユーザーの所有欲を満たす仕掛けが数多く盛り込まれているのも、本製品ならではの魅力だろう。

スマートフォンやタブレットで気軽にメモ書きやお絵描きしてみたい人は、ぜひ注目してみてほしい製品だ。