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●エントリーモデル「カリフォルニアT」の後継車が登場

フェラーリは新型車「ポルトフィーノ」を日本で初公開した。このクルマはV型8気筒3.9リッターターボエンジンを積む新たなGTカーで、「カリフォルニアT」の後継車としてフェラーリのエントリーモデルに位置づけられる存在だ。「カリフォルニアT」と先代の「カリフォルニア」では新規顧客の獲得に成功したというフェラーリだが、この重要な役目をポルトフィーノは引き継ぐことができるのだろうか。

○妥協を許さず開発、価格は2,530万円から

「『ポルトフィーノ』は一切の妥協なく一から作り直したクルマ。比類ないパフォーマンスと極上の居住性を両立させた上、ドライビングエモーションまでを兼ね備える。こんなクルマは現在の市場に存在しない」。ポルトフィーノのジャパン・プレミアに登壇したフェラーリ極東・中東エリア統括CEOのディーター・クネヒテル氏は、新型車の出来栄えに自信を示す。ポルトフィーノの特徴は「アウトドアライフを満喫できるスポーティー感」であり、その乗り心地は「広い海に出て髪を海風になびかせている」ような感覚だそうだ。

フェラーリらしいパフォーマンス(走り)を備えつつ、GTカーとしての居住性を持たせたところに開発の苦心があるらしい。車体の後部にかけて流線型を描くファストバック・クーペというスタイルに、電動で開閉できる屋根(リトラクタブルハードトップ)を備えるポルトフィーノであれば、1台のクルマで2つのボディ・タイプを楽しむことが可能だという。カリフォルニアTに比べ80キロの軽量化を成し遂げた一方で、ボディ剛性を向上させたことにより、よりシャープな走り味を実現した点もクネヒテル氏は強調していた。

ポルトフィーノの車両本体価格は2,530万円から。日本での納車は2018年の第3四半期頃に始まる予定だという。この価格であっても、ポルトフィーノはフェラーリにとってエントリーモデルということになる。“初めてのフェラーリ”として新規顧客を獲得するという役割を、ポルトフィーノは先代「カリフォルニアT」から引き継ぐわけだ。

●「ポルトフィーノ」は新規客と既存客の双方に訴求可能?

○購入者の約7割が新規顧客だった「カリフォルニア」

「カリフォルニア」と後継の「カリフォルニアT」は、購入者の約7割が新規顧客だったというから、新しい顧客とフェラーリの関係を構築するという役目を十分に果たしたことになる。フェラーリ・ジャパン&コリア代表取締役社長のリノ・デパオリ氏によれば、日本は「カリフォルニア」が世界で最も成功した市場の1つだったそう。フェラーリ・ジャパンに聞くと、日本でも購入者の7割近くが新規顧客だったという。

ポルトフィーノは今後も順調に日本で新規顧客を開拓し続けられるのか。ここで気になるのは、フェラーリが年に何万台も売れるクルマでもなければ、欲しいと思ったからといって誰もが買えるようなクルマでもないことだ。

例えば、いつかはフェラーリに乗ってみたいと昔から考えていて、ここ数年の間に何らかの成功を収めたような人がいたとするならば、すでにカリフォルニアかカリフォルニアTを購入していてもおかしくない。カリフォルニアが日本で発売となったのは2009年だというから、この間、フェラーリの潜在的な新規顧客にカリフォルニアおよびカリフォルニアTが、ある程度は行き渡ってしまっている可能性はないのだろうか。

○「カリフォルニアT」から進化した部分とは

「新規顧客にも既存顧客にも、ポルトフィーノで訴求できると思う」。先程の疑問に対する答えとして、デパオリ社長は楽観的な見通しを示した。同氏によれば、新規顧客はパフォーマンス(走り)がフェラーリの特徴であると認めつつも、より多用途性や快適な乗り心地を重視する傾向にあるとのこと。この「versatility」(多用途であること)こそカリフォルニアが成功を収めた理由であり、その観点で見た場合、ポルトフィーノはカリフォルニアよりも新規顧客に訴求できるクルマだとする。

また、ポルトフィーノはカリフォルニアに比べ、よりスポーティーな外観を獲得しているともデパオリ社長は語った。この部分は既存のフェラーリオーナーにも響くのではというのが同氏の考えだ。

ポルトフィーノは新規と既存の双方の顧客に訴求可能なクルマだが、カリフォルニアシリーズで多くの新しい顧客を獲得できた現状を踏まえると、ポルトフィーノ購入者の新規顧客と既存顧客の内訳はカリフォルニアほど片寄らず、「たぶん、50:50というような感じになるのでは」というのがデパオリ社長の予想だ。カリフォルニアシリーズに乗っている人が、ポルトフィーノに乗り換えるケースも出てくるだろうと同氏は見通す。

つまり、日本には新たにフェラーリオーナーとなり得る人がまだまだいるし(あるいは現れるし)、すでにフェラーリを持っている人がポルトフィーノを買うケースも十分に考えられるというのがデパオリ社長の見立てだ。フェラーリ・ジャパンによれば、既存のフェラーリオーナーがセカンドカーとしてポルトフィーノを購入し、日々の「通勤に使う」ようなケースも考えられるとのことだった。