AIで嚥下を判定するウエアラブル機器「GOKURI」

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 筑波大学人工知能研究室は食べ物の飲み込み(嚥下〈えん〉げ)が正しくできているかを人工知能(AI)で判定するウエアラブル機器を2018年度中に製品化する。4月にベンチャー企業「プライムス」を発足し、研究開発を加速させる。高齢者の嚥下障害による「誤嚥(ごえん)性肺炎」が社会問題となる中、誤嚥予防に寄与する機器として提案する。

 ウエアラブル機器「GOKURI」は首に装着して使う。“ごくり”という飲み込む音を収集し、その波形を解析して嚥下が良好かどうかを判定する。小型・軽量で持ち運びも容易なほか、内視鏡やX線撮影装置といった従来の検査法と比べて簡単に判定できる。嚥下の状況を数値化し、定量的な評価が可能だ。試作品では約97%の判定精度を達成しており、改良を図りながら製品化につなげる。

 まずは介護福祉機器として介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどに提供し、日々の嚥下障害の判定やリハビリテーションでの活用などを想定する。医療機器としての承認取得も目指す。機器の販売だけでなく、課金型ビジネスなど事業モデルも検討する。

 4月に発足するプライムスは資本金が300万円で、筑波大(つくば市)内に設立する。同大システム情報系の鈴木健嗣教授と下柿元智也研究員が共同代表に就く。製品化を急ぐとともに、協業先の開拓や市場調査、資金調達も進める。取締役に就任する仁田坂淳史氏は「体温計や血圧計のように、簡単に嚥下を測れる『嚥下計』として提案したい」としている。