先ごろ、米ビルボード誌が伝えたところによると、米家電量販大手のベストバイは、今年7月1日をもって、音楽CDの店頭販売から撤退する。

 また、同じく小売りチェーン大手の米ターゲットは、まだしばらく販売は続けるものの、今後は委託販売に切り替える意向を固めた。その後の計画については分からないが、おそらく同社もベストバイ同様、近い将来、CDの販売事業から撤退するものと見られている。

[JBpressの今日の記事(トップページ)へ]

CD売り上げ、1割に

 米国では2016年に、音楽ストリーミングサービスの年間売上高が、同国全レコード(録音)音楽売上高の51%を占め、初めて過半となった。一方で、CD販売は減少の一途をたどり、米アップルのiTunes Storeに代表されるダウンロード販売も落ち込んでいる。

 全米レコード協会(RIAA)がまとめた、昨年上半期の同国音楽販売統計(PDF書類)によると、ストリーミングサービスの売り上げ比率は、62%となり、さらに拡大している。

 これに対し、音楽CDの売り上げ比率は、前年の13%から11%へと縮小。米小売りチェーン大手の販売撤退や事業縮小の背景には、こうした市場動向があるようだ。

(参考・関連記事)「勢い止まらぬストリーミング音楽」

2000年をピークに右肩下がり

 ドイツのスタティスタが作成したインフォグラフィックスを見ると、米国におけるCD販売の落ち込み具合が、よく分かる。

 これによると、同国でCDアルバムの販売枚数がピークに達したのは2000年。この年の年間枚数は9億4300万枚だった。しかし、このころ流行し始めたのが、音楽ファイルを保存し、手軽に持ち運べるMP3プレーヤーだった。

 アップルの携帯音楽プレーヤー「iPod」の初代機が発売されたも、このころだ。その後CDの枚数は、右肩下がりで推移。そして、2007年には、iPodと携帯電話、ネット端末の3つの機能を統合した「iPhone」が発売された。

 翌年の2008年になると、CDは、これまで以上に急激な落ち込みを示し、その後も減少が続いているという状況だ。

30年の歴史に幕?

 CDの一昨年(2016年)における販売枚数はわずか、9900万枚だった。これはピーク時の10分の1程度で、1987年の水準だ。1987年と言えば、CDの枚数が初めてLPコレードを上回り、本格的な普及期に入った時代。あれから30余年。CDは、その歴史に幕を下ろしつつあるのだろうか。

 全米レコード協会は、まだ昨年の年間販売統計(2017年)を出していない。しかし、前述した昨年上半期のレポートによると、その販売枚数は3520万枚で、前年同期比8.6%減だった。おそらく、年間販売枚数も、前年実績を下回っているのだろう。

筆者:小久保 重信