標高4660mのパミールハイウェイで自転車を押す選手の父(画像は『Ausgebüxt(Guido Huwiler) 2017年9月8日付Instagram「Pamirhighway, climbing 4660 meter above sea level」』のスクリーンショット)

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平昌オリンピック・スイス代表選手の父親が、息子の晴れ舞台を一目見ようとスイスから応援に駆けつけた。彼が交通手段として利用したのはなんと自転車。約1年をかけ17,000kmの距離を駆け抜いてきたという。『Yahoo Sports』などが伝えている。

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フリースタイルスキー・エアリアルの代表選手ミーシャ・ガサーさん(26歳)の応援に、はるばるスイスから駆けつけたのはグィード・ハフィラーさん(Guido Huwiler、55歳)だ。アールガウ州アーラウの自宅を売却し、現在の妻リタ・ルティマンさん(Rita Ruttimann)と一緒に2017年2月2日にスイスを出発、今月10日に自転車で韓国入りした。出発から1年8日後、男子エアリアルの予選が始まるちょうど1週間前だった。

グィードさんは1年に及んだ旅の様子を美しい写真とともに自身のブログやインスタグラムに投稿しているが、そこにはこんな言葉が並んでいる。

「東に行けば行くほど、国境警備隊の連中が気軽に挨拶してくれるんだ。入国審査での会話も弾むよ。『ようこそ!』って笑顔で迎えてくれるしね。西でこんなふうに歓迎されることはあまりないから、どこへ行っても歓迎されるっていうのは気持ちがいいもんだよ。ほんとに素晴らしい!」

しかし全てが順風満帆というわけではなかったようで、北朝鮮はもちろん、中国を自転車で横断する許可は取れず、この区間は飛行機を利用せざるを得なかった。それでも訪れたのはスイス、イタリア、クロアチア、モンテネグロ、コソボ、セルビア、ブルガリア、トルコ、ジョージア、アルメニア、イラン、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、カザフスタン、タイ、ラオス、カンボジア、そして韓国と20か国にも及んだ。ホテルに泊まったこともあるが、テントで過ごした夜も数えきれないという。

そんなグィードさんにとって一番つらかったのは、タジキスタンからパミール高原を横切りキルギスのオシュへと伸びる、標高4,500メートルを超える“パミールハイウェイ(Pamir Highway)”だったそうだ。

13日、平昌で1年ぶりに真っ黒に日焼けした父と再会したガサーさんは「もうクレイジーとしか言いようがないね。若いころはスカイダイビングもしていたようだし、本当に父らしいと思うよ」と苦笑い。それでも「父が私や国を応援するためにやって来てくれたことには感謝してるよ。チームメートも同じ気持ちさ」と語り、父の熱い思いをしっかりと受け止めている様子だった。肝心の競技では17日の予選を通過したものの、18日の決勝では1回目で敗退し、結果は11位だった。

グィードさんは息子の健闘を称えた後、「15メートルもの高さで3回転4回捻りをして雪の上に着地するなんて、私なんかよりオリンピアンのほうがよほどクレイジーだと思うよ」と語ると、「だからこそ17,000kmを(自転車で)走る価値があるってものさ」と笑った。平昌オリンピック後は日本に立ち寄り、スイスへ戻る予定とのことだ。

画像は『Ausgebuxt(Guido Huwiler) 2017年9月8日付Instagram「Pamirhighway, climbing 4660 meter above sea level」』『Ausgebuxt 2018年2月13日付Facebook「Ein aufregender Tag heute: Am fruhen Morgen herrschen Temperaturen weit unter 0 Grad.」、2018年2月17日付Facebook「Yssss WIR SIND FUR DAS FINAL QUALIFIZIERT!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)