Image: Xavier MARCHANT/Shutterstock.com

「ハロー」「バイバイ」「ワン、ツー、スリー」などの言葉を発せられるように、南フランスのアンティーブにあるマリンランド水族館のシャチ(14歳)を訓練したというヨーロッパ、チリの科学者たち。

シャチはもちろん実際に言葉を話しているわけではなく、聞き取った音を真似しているわけですが…以下の音声を聞くと、シャチが実にさまざまな声色を出しているのがわかります。

いかがでしょうか、このクオリティー(ちょっと、たまにオナラみたいな音が聞こえてきちゃった…なんて意地悪言っちゃ許しまへんで!……と、言いつつ…もはやその音にしか聞こえなくなってしまいそうだ…という気持ちを…取り直して…さ、続きをいきましょう)。

決して、完コピ!とは言い切れないかもしれませんが、何を言っているのかそれなりに聞き取れますよね。Proceedings of the Royal Society Bで先日公開された論文によると「外部の観測者と音響分析の両方によって認識可能な声マネだと評価された」といいます。

人間には高度な発声スキルがあって、新たな音を習得するのに他者の真似をする能力があります。同様に他の動物の声を真似できると観察されているのが、クジラ、イルカ、ネズミイルカなどの鯨類で、今回研究者たちはシャチを被験者に科学的なアプローチで調査を行なったのでした。

研究者らによって訓練されたシャチは、口からではなく噴気孔を通して音を発するよう訓練されたといいます。こうした研究が、野生のシャチに対する理解を深めるのに役立つことを指摘するのは、セント・アンドルーズ大学で生態学を教えるLuke Rendell氏。

シャチの音声習得を示すこの証拠は、彼らの野生としての生態を理解するうえで不足していた情報を補足してくれます。シャチには群れによって特有の鳴き声(通用語)があることは知られていました。科学者たちは、こうした群れ特有の鳴き声が(シャチによる)学習の結果であると数十年にわたって示唆していて、こうした考え方は広く支持されていたのです。

人類が国や地域によって異なる言語を確立してきたように、シャチの世界でも、新たな音を聞き取って学習することで、群れ特有の通用語なるものを自分たちで築こうとしている…ということでしょうか。

今回の研究では、野生のシャチでなく一頭のシャチの能力を対象に行なわれたことから、より理解を深めるためには今後さらなる調査が必要となりそうです。

最後に、今回の研究から思い出さずにはいられないのが、1960年代にMargaret Howe Lovatt氏がイルカのピーターと行なった実験。ふたり(1人+1頭)の様子がなんとも奇妙で、興味深い映像です。


Image: Xavier MARCHANT/Shutterstock.com
Source: Proceedings of the Royal Society B, YouTube

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)