バイクの世界では、大量生産・大量消費時代からのシフトが始まっているのだろうか。スペインのマドリードに住むデルガド兄弟(Delgado Bros)は、アルミ鋳造ボディのユニークなバイクを作り出す工房『Valtoron』を構えているそうだ。彼らの作品は粘土(クレイ)によるプロトタイピングから、金型の製作、車体への組みつけまで徹底的に手作業で行われ、当然ながら生産台数は非常に少ない。ベース車両はハーレー、ドゥカティ、モトグッツィなど多岐にわたるようだ。

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鋳造バイク、誕生のプロセス





彼らのバイク作りは、まるでコンピュータによる設計が一般化する以前の工程を復興しようとしているかのよう。バイクのフレームにクレイを盛り付けてプロトタイプを作り、



型取りをして、金型にアルミを流し込んでいく。鋳造でしか出せない独特の味わいは、完成後のバイクからもひしひしと伝わってくるものだ。



金型から誕生したばかりのパーツ群。ここからさらに手作業で仕上げられ、カスタムバイクのパーツとして組み上げられていく。

「フル鋳造バイク」実現の日も近いか?





デルガド兄弟はボディパーツ製作の現状に満足していないようで、今後はエキゾーストパイプ、フットペグ、レバー、ガスキャップなどの部品もアルミ鋳造で作っていきたいとしている。やがてベースマシンの原型を残さないレベルの「フル鋳造バイク」を世に送り出すことになるのかもしれない。

もしかすると今の時代に求められているのは、こうした手作業の味わいを残したマシンなのだろうか。『Valtoron』のWebサイトには、ここで紹介しきれなかった鋳造バイクが多数掲載されている。アルミ製ではあるが、あえて「鉄馬」と呼びたくなる存在感が魅力的だ。

関連サイト



VALTORON | Sculptured Motorcycles

text渡辺 "d." 大輔(編集部)