コンデナスト(Condé Nast)のヴォーグ(Vogue)とGQは、eコマースに結びつくコンテンツレコメンデーションを強化しようとしている。そしてその新しい提供先を見つけたようだ。それがカメラとAlexa(アレクサ)を搭載し、日々のファッションチェックを行うことができるAmazonのデバイス、Echo Look(エコー・ルック)だ。2月19日から、Echo LookはヴォーグとGQのコンテンツをアプリ上のホームスクリーンに表示できるようになる。ユーザーはデバイスを使ってセルフィーを撮影し、アプリに送ると、このふたつのメディアによるファッション、セレブ、サービスコンテンツを見ることができる。そこでアイテムを購入することも可能だ。アプリ上でこういったパブリッシャーのコンテンツから何かしらのプロダクトを購入すると、パブリッシャーには売上の一部が利益として入ることになっている。コンテンツは、コンデナストとAmazonのスタッフによって選ばれ、週に一度アップデートされるとのことだ。Amazonはコンテンツ自体には支払いをしていない。しかし、Echo Lookデバイスでこういった実験を行うことに関してはコンデナストは意欲的なようだ。特に、読者がこれらのデバイスにプロダクトを選ぶアドバイスを求めている現状に励まされていると、ヴォーグのデジタル・ディレクターであるアナーリサ・ヤブスリー氏は言う。彼女は「これは我々にとって新しい配信方法となる。双方のオーディエンス(コンデナストのメディアとEcho Lookのユーザー)が重なっているところがどこなのか、本当の理解を深めることに興味を持っている」と語った。

普及が進むEcho製品

Echo Lookのような音声でコントロールできるデバイスは、米国の消費者のあいだで予期していなかったヒット分野となっている。Echo(エコー)、Echo Dot(エコードット)、Echo Show(エコーショウ)を含む、3100万台のAmazon Alexa搭載デバイスが米国で活躍しているという。消費者インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ(Consumer Intelligence Research Partners)によると、昨年6月と比べてこれは2倍だ。GQやヴォーグがこの実験を通してどの程度のオーディエンスへリーチするかは不明瞭だ。Echo Lookは何を着るか決めるのを助けてくれるプロダクトとしてマーケティングされている。そして、その販売は招待制だ。何台のルックが売られたか、どれだけの招待が送られて、リクエストはどれだけ処理されたのかといった情報は、広報担当は教えてはくれない。GQのデジタル・ゼネラルマネージャーであるロブ・デチアーロ氏によると、どのレコメンデーションがアプリ上で良い成果を見せるか、知ることができる点がメリットであるという。それによってLookのユーザーに絞った特別なコンテンツを作ることにもつながるかもしれない。これがきっかけでコンデナストがeコマースへのさらなる展開を進める可能性もある。すでにeコマースは2018年の成長分野であるとコンデナストは宣言している。

最優先は自社サイト

とりあえずはGQはアドバイスやレコメンデーションを読者に提供することに集中するという。一方でヴォーグはセレブリティを中心に据えたコンテンツからトレンド記事まで幅広い種類のコンテンツを試すようだ。

Amazon Echo Lookで表示されるヴォーグ(左)とGQ(右)のコンテンツ例

「我々にとっては、とりあえず、我々のプラットフォーム上での成績が良いコンテンツに関してデータを分析することになる。それからAmazon上でのサービスや実用性に結びつくものが何かを見つけ出すだろう」と、デチアーロ氏は語った。Max Willens(原文 / 訳:塚本 紺)