電車内・駅の異常な混雑をAI(機械学習)で予測して事前に教えてくれる新機能「異常混雑予報」を、ヤフー株式会社が19日、「Yahoo!乗換案内」のAndroid/iOSアプリで提供開始した。まずは首都圏の26路線を対象に、当日〜4日先までの5日分を10分単位で予測し、混雑度を3段階で示す。

 ヤフーが提供するアプリにおいて人の混雑状況を示す機能としてはすでに、「Yahoo! MAP」アプリの「混雑レーダー」がある。同社が提供している「Yahoo!防災速報」アプリをインストールしている端末の位置情報をもとに、各エリアに実際にいる人(端末)の数を推定し、Yahoo! MAPの地図上にヒートマップで示すものだ。

 混雑レーダーが“今”の混雑状況を示す機能であるのに対し、今回提供を開始した異常混雑予報は“未来”の混雑状況を示す機能となる。そうした未来の状況を予知するのに用いられるのが、Yahoo!乗換案内で日々行われている乗換ルート検索のビッグデータだ。

 ヤフーによると、Yahoo!乗換案内のスマートフォン向け/パソコン向けサービスは、月間約4000万人に利用されているという。現在時刻だけでなく、未来の日時を指定した乗換ルート検索も行われており、これらのルート・駅と日時の情報がセットになったビッグデータを活用することで、「〇月〇日〇時に〇駅に到着したいと考えている人は、およそ〇人いそうだ」と推測することが可能になる。

 例えば、東京ビッグサイトでコミックマーケットが開催された2016年8月14日についての実際の検索データを集計した結果、始発の電車に乗って行こうとしている人が多いことが分かるが、こうした傾向は開催2週間前の時点でほぼ予測できることが分かったという。こうした推測データを、その路線の平常時のデータと比較することで、異常に混雑する日時を予知できるというわけだ。

 こうした仕組みのため、異常混雑予報では、事故や天候・災害などに起因する突発的な混雑は予測できない。あくまでも、人々が予定して行動するような出来事に起因する混雑を予測するものであり、例えばコンサートやスポーツなどのイベント開催に伴う混雑がこれに該当する。

 また、こうしたイベント開催時の混雑は、花見大会などのように毎年恒例のイベントであれば例年のデータから予測できるが、経路検索ビッグデータに基づいた予測であれば、そうした前例がない初開催のイベントなどでも混雑を予測できるのが特徴だという。

 Yahoo!乗換案内アプリでは、検索結果に示されたルートの途中に異常な混雑が予測される箇所があった場合に、混雑度を3段階(いつもよりやや混雑/いつもよりかなり混雑/いつもよりはげしい混雑)のアイコンで表示する。その際の迂回ルートも参照可能だ。また、各路線の運行情報画面では、当日〜4日先までの10分単位の予測と混雑が予想される駅を表示するとともに、その沿線に関するツイートからイベント名称や施設名などを抽出して表示することで、混雑の理由をユーザーが推測できるようにした。

乗換ルート検索結果画面

運行情報画面

 異常混雑予報を参照すれば、「今日は渋谷でライブかな? 30分くらい早く家を出よう」「帰りはいつもと違う路線で帰ろう」など、時間をずらしたり、迂回ルートを利用したりすることで混雑のピークを避け、イライラを解消しスムーズな移動ができるとしている。

 現時点で異常混雑予報の対象となっている路線は、JR東日本山手線・中央総武線(各駅停車)・総武線(快速)・埼京川越線・京葉線・京浜東北根岸線・湘南新宿ライン・中央線・横浜線、東京メトロ半蔵門線・南北線・東西線・銀座線・丸ノ内線・千代田線・有楽町線・副都心線、都営地下鉄大江戸線・三田線・新宿線、京王線、東急田園都市線、東急東横線、小田急小田原線、りんかい線、ゆりかもめ線。