田園調布にビンボー女子が住んだら…部屋に大ムカデ!多摩川をナメてた

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 多くの芸能人やスポーツ選手が居を構えているといわれる田園調布。有数の高級住宅街である、この街での暮らしってどんなものなのでしょう? 大邸宅にガーデンパーテイーができそうな広い庭、移動はもちろん高級車。

「それはあくまで、ごく一部」。そう笑うのは、実際に田園調布に住んだことがある友人の由香里さん(仮名・38歳・パート勤務)。はじめての一人暮らしでワクワクしていたのもつかの間、彼女を待っていたのは“高級住宅地暮らし”とは思えないサバイバルな日々だったのです…。

◆駅から徒歩15分、庶民でも住める部屋が

 練馬で生まれ育った由香里さんでしたが、そろそろ一人暮らしをしようと部屋探しをしていたら、なぜか田園調布に住むことになったそう。

「最初はまわりの人たちにすごいビックリされて。アンタ、なんて所に住むんだって(笑)」(由香里さん)

 筆者が「そもそも田園調布って、そんな簡単に住めるところなの?」と驚きながら聞くと、普通に不動産屋さんで紹介してくれたよ! とあっけらかんと答える由香里さん。

 元々は、下町暮らしに憧れて台東区や墨田区で部屋探しをしていたそうですが、たまたま訪れた自由が丘の不動産屋で、のちに住むことになる部屋を紹介されたのだとか。

「部屋の広さや明るさに感動し即決。この部屋に住めるんだ! とワクワクしました」(由香里さん、以下同)

 田園調布駅からは徒歩15分(このぐらい離れないと庶民には住めないですもんね)。近くに多摩川の河川敷があり、自然豊かなところも気に入ったそうです。

◆帰宅すると巨大グモ、ムカデがお出迎え

 職場は渋谷だったので、田園調布駅から東急東横線で一本と通勤にも便利。高級感ある街並みも気に入っていました。ところが、“あるもの”におびえながら暮らすことに。

「家に帰ると部屋の中に何かいるのよ。ゴキブリはもちろんだけど、巨大グモとかムカデみたいな生き物。ムカデなんてそれまで見たことがなかったから最初恐ろしくて。クモだって足がやたら長くて、映画にでてきそうな巨大グモ」

 すぐそばに自然豊かな多摩川の河川敷があることから、部屋にもたくさん虫などが入り込んでしまったそう。それらを外に出すために夜通し格闘したといいます。そのうえ、近所で何度もヘビに遭遇したそうです。

「ただ歩いているだけで目の前をヘビが通過するって、こんな生活今までなかった。ここどこだよ? って感じだった」

 ずっと都会暮らしで、野生生物になじみのない彼女にとっては大変な試練でした。

◆近くにコンビニや店は一切なし。買い物もひと苦労

「家の近くにお店やコンビニはゼロ。東京23区内でコンビニがないエリアがあるんだとビックリ。だから買い物は駅前のスーパーに行ってた」

 駅前には商業施設「東急スクエアガーデンサイト」があり、そこでだいたいの買い物は済んだそうです。その商業施設に入っているスーパーやカフェは、高級感たっぷりでおしゃれだったけど、全体的に物価が高かったのがちょっと悩みだったそうです。

 そして物価の高さ以外にもう1つ苦労したことが…それは「坂道」。ふだんは、良い運動と割り切っていたけど、荷物を持って坂を上り下りするのは大変だったそう。あと、雪の日などは移動に時間がかかったと言います。

「とにかく斜面が急だったから、雪が降るとすべり落ちそうでコワくて。もうスキーかソリで滑ったほうが早いんじゃないかって感じだった」

◆結局、田園調布は庶民にとってどう?

 ここまで聞くと、さぞ田園調布での暮らしにゲンナリしただろうと思っていたら、「とてもいい経験だった」と意外な答えが。

「確かに不便さはありました。でも、コンビニや店が近くにないと無駄にお金を使うこともないし、夜に出歩かないから家で好きなことを思う存分できた。あと、自由が丘や二子玉川が近くて、電車に乗れば代官山や横浜にもすぐ行けたのはよかったですね」

 日中は好きな街で遊んで、夜は家でのんびりと。生活にメリハリがあってよかったそうです。

「田園調布での暮らしで感じたのは、“不便さ”って実は豊かさにつながってるのかなと。当時は恐怖だったけど、いま考えると部屋にいろんな虫とかがまぎれこむのも、自然が残ってるってことだもんね」

 なるほど、そうかもしれません。ただ、もし機会があればまた田園調布に住みたいか聞いたところ、答えは「NO!」だそう。由香里さんいわく「あの街はリッチな人が住むべき場所だよ」。

 だから最初からそう言ってるじゃん!

―シリーズあの人気の街に住んでみたら… vol.11―

<TEXT/青山文>