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◆メールを7往復してもミーティング日時が決まらない

 ビジネススキル向上のための演習をしていると、参加者が経験しているさまざまな事例に接します。最近接した事例に、ミーティングのスケジュールを決めるためのやりとりをしていて、何度メールのやりとりをしても、スケジュールが決まらないという事例がありました。

《事例・いつまで経ってもスケジュールが決まらないメールの応酬》
Aさん:打ち合わせをしたいのですが、いかがでしょうか
Bさん:はい、打ち合わせをしましょう
Aさん:いつ頃が良いですか
Bさん:来週あたりいかがでしょうか
Aさん:来週のいつがよいでしょうか
Bさん:来週後半ならよいですよ
Aさん:水曜日の午後、金曜日の午後あたりはいかがですか
Bさん:木曜から金曜なら大丈夫です
Aさん:金曜の午後でよろしいですか
Bさん:現在のところ大丈夫です
Aさん:金曜の13時頃でもよいですか
Bさん:15時でもよいですか
Aさん:では15時でよろしくお願いします
Bさん:すいません、15時の都合が悪くなってしまいました

 これは、LINEのやりとりではなく、メールの本文のスケジュールに関する行を抜き出したものです。一日のうちにやりとりされたものではなく、数日の間にやりとりされたもの。これでは、いつまでたっても、スケジュールが決まらないでしょう。

 読者のみなさんも、こんなまどろっこしい事例があるのかと思われるかもしれませんが、演習でよく挙がってくる事例なのです。

◆スケジュール調整に時間がかかる事例が増えている

 こうした事態を防ぐには、メールではなく、電話をして都合を合わせてしまうという手があります。また、もし電話がしにくい相手だったり、電話ではつかまりにくかったりする相手だったら、最初のメールで、

『打ち合わせをしたいのですが、○日の○時または、○日の○時はいかがですか』

 と聞いてしまえば、一往復で決まらなかったとしても、少なくとも前出のような7往復して決まらないと言う事態は防げたと思います。

 なぜ、最初のメールで候補日を挙げなかったのか、こうした事例を挙げた人たちに、やんわりと聞いてみた。すると私には、意外な答えが返ってきた。

 ミーティングのスケジュールを決めるにあたって、依頼者である自分から候補日を挙げなかった理由はこうだ。

《依頼者から候補日を挙げないメールをする理由》
・自分は相手より目下なので、自分から候補日を挙げるのは失礼だと思った
・相手は自分より忙しいので、自分から挙げると断られる可能性が高いと思った
・相手が忙しい中で、落ち着かない気持ちでミーティングを実施しても効果がないので、相手の都合を最大限優先したかった
・自分から候補日時を伝えることは、押しつけがましいように思ったので避けた
・だいたいの候補日の範囲を聞いてから、候補日時を挙げた方が効率的だと思った
・相手に決めてもらうことが、相手を巻き込むことに必要だと思ったので、出来るだけ相手に候補日を出してほしかった
・質問して相手に答えてもらうことで、相手を巻き込む手法を学んだのでそれを実践しようと思った

◆自分から候補日を言い出すのはNG!?

 確かに相手との関係性で、依頼した側から候補日を提示しづらいこともあるでしょう。そういう場合には、

『例えば、私のほうは、○日○時、○日○時などで、ミーティングが可能ですが、ご都合いかがでしょうか』

 ……というように、

「例えば」「私のほうは」「○日○時“など”で」

 という文言を入れて、「相手の意向を尊重します」というニュアンスを伝える方法もあります。

 このように伝えれば、「○日○時、○日○時のいずれも都合が悪いが、○日以降であればよい」という返答が返ってくる確度が高まります。仮に、「○日○時、○日○時のいずれも都合が悪い」という返答だけだったとしても、「では、ご都合のよい日時を何通りかご教示いただけますか」と聞きやすくなるでしょう。そうすれば2往復くらいで、スケジュールが決まることになります。