2018年2月、Googleは「煩わしい広告を自動的に表示しないようにする機能をChromeに実装する」と発表しました。また、AppleのSafariにもウェブ広告の表示を妨げる機能が実装されています。しかし、広告会社はChromeの広告ブロック機能は歓迎する一方で、Safariに搭載されるプライバシー機能「ITP」に対しては批判的な態度を取り続けています。果たしてChromeとSafariの違いとは一体何なのか、元「Digital Trends」のライターで現在はテクノロジーの「なぜ」や「どうして」に答えるメディア「How-To Geeky」で記事を書くJunstin Potさんが説明しています。さんの以下の記事で説明されています。

Why Ad Companies Love Google’s Ad Blocker, But Hate Apple’s Privacy Features

https://www.howtogeek.com/342297/why-ad-companies-love-googles-ad-blocker-but-hate-apples-privacy-features/

そもそも2018年2月に実装されたChromeの広告ブロック機能の対象は広告全てではなく、動画を自動再生する広告やポップアップが大きく表示されるも閉じ方が分からない広告など、あくまでも迷惑で煩わしいものに限られています。Justinさんは、Chromeの標準機能で迷惑な広告を率先してブロックすることで、普通の広告も排除してしまうような他の広告ブロッカーの使用を抑えることがGoogleの狙いなのではと主張しています。



by Elliott Brown

一方で2017年に実装されたSafariのIntelligent Tracking Prevention(ITP)機能は、ユーザーの閲覧履歴を追跡するクロスサイトトラッキングを全て排除します。そのため、Safariでは基本的には定期的に訪問するサイトのCookieだけがブラウザに保存され、残りは定期的に削除されるとのこと。クロスサイトトラッキングはウェブ広告にも多用されているので、ITP機能によって広告の多くが制限されてしまいます。大手広告配信企業のCriteoは「SafariのITP機能は一方的であり、今日のデジタル広告のシステムとビジネスを脅かすものだ」と強く批判しています。



by Adrian

同じ広告ブロック機能であるように見えて、ChromeとSafariで全く違う機能となっているところに、GoogleとAppleという2つの企業の違いが垣間見えるとJustinさんは指摘します。Googleはもともとオンライン広告事業を手がけている企業で、広告収入は重要な資金源となっています。Chromeの広告ブロック機能は広告会社に利益をもたらすように設計されているのであり、ユーザーのために実装された機能ではないとJustinさんは主張しています。

対するAppleはハードウェアやソフトウェアをリリースする企業であり広告収入を得るような事業はほとんど行っていません。ユーザー目線に立った場合はウェブ広告が迷惑な存在と考えられるので、Justinさんは「Appleは顧客の信頼を高めるためにウェブ広告を根こそぎ排除する方向性で動いているのではないか」と考えています。

広告を重視するGoogleと顧客からの信頼を重視するAppleは対立しているものの、どちらも正しい戦略であり、ユーザーは最終的に自分にとって得になる方を利用すればいいとJustinさんは結論づけています。