機能的な装備が充実しているとママも嬉しい!

 子育て世代、とくにチャイルドシートを使う小さな子どもがいる時期に便利なのは、やっぱりスライドドア車。でも「1人で乗ることもあるからミニバンはちょっと」とか、「便利なのはいいけどデザインにもこだわりたい」などなど、いろんな理由で非スライドドア車に未練が残る気持ちもよくわかります。

 実際、私の友人ファミリーも奥様はマツダ・プレマシーを熱望しつつも、ご主人が「スライドドア車にだけは乗りたくない」と言い張ったため、CX-5を購入して2人の子どもの送り迎えをしています。でも、「最初は雨の日の乗り降りとか大変で、やっぱりプレマシーが良かったと思ったこともあったけど、慣れてきたらいろいろと工夫すれば不便ではないし、デザインも気に入ってるし、何より夫が喜んで乗ってくれるからCX-5で良かったかな」と奥さま。

 そうなんですよね、妥協してミニバンを買うくらいなら、少々不便でも好きなクルマを買う方がよっぽど楽しいカーライフが送れるものなんです。そこで今回は、子育て世代にオススメの非スライドドア車5台を厳選。車両価格は300万円以下という条件にしました。

 ママたちの意見を聞いていると、とにかく荷物が多いことや、室内で着替えや授乳など子どものお世話ができるスペースが欲しい、というのが一番の要望。なのでまず欠かせないのが最低でも5人乗りで、後席と荷室が広いこと。ママがひとりで子どもを乗せて運転するファミリーでは、運転しやすいサイズや子どもの乗り降りがスムースにできることも、大事なポイントです。

1)スズキ・クロスビー

 そんなポイントを押さえた非スライドドア車で、いちばんリーズナブルでコンパクトなのが、デビューしたばかりのスズキ・クロスビー。大ヒット軽クロスオーバー、ハスラーの兄貴分的なポップでオシャレなデザインに、1リッター直噴ターボエンジンで元気に走る、5ナンバーサイズのコンパクトクロスオーバーです。

 子育て世代に嬉しいのは、このクラスでは異例なほど後席が広いこと。165mmのスライド機能があるのも希少で、大人4人ならゆったり、子どもを入れて5人でもしっかり座れます。これならチャイルドシートを付け装着しても窮屈じゃないし、着替えだってOK。

 荷室は5人乗り状態での容量が203リットルと、ちょっと小さいかな? と思いきや、床下のアンダーボックスが81リットル(2WD車の場合)もあって、ラゲッジボードを開ければベビーカーの縦積みも可能。35リットルのキャリーバッグを5個積載できるというから、工夫すれば子育て中の大荷物もしっかり収納できちゃいます。

 また、1リッターエンジンだから自動車税が安いのも魅力的。1リッター以上のモデルより5000円以上安くなるから、何かと子どもにお金がかかる時期には、嬉しいですよね。

2)日産エクストレイル

 さて、次にオススメするのはアクティブ派のファミリーにぴったりな、日産エクストレイル。先進安全運転支援技術「プロパイロット」が搭載されたことでも話題になりましたが、じつは室内や荷室の使い勝手でもファミリーに優しい機能が揃っているのです。

 まずはドリンクホルダー。私も子どもが小さいころ、よく車内でミルクをあげたりしていたのですが、冬なんてすぐに冷たくなっちゃう。でもエクストレイルのドリンクホルダーは、保冷・保温機能付き。これなら赤ちゃんがすぐに飲まないときでも、温かいまま置いて置けるし、逆に熱すぎたときには冷やすことも可能。もちろん大きくなってきてからも、寒い屋外で思いっきり遊んだ後に、温かい飲み物が飲めるって幸せですよね。

 前席だけでなく、後席にもオプションでシートヒーターが付けられるのも嬉しいところです。さらに、いつも泥んこになって遊ぶ男の子がいるファミリーには、防水シートや防水加工フロアがとってもありがたい。お掃除が格段にラクだから、車内をいつまでもキレイに保てます。荷室にも防水機能があるので、海へ山へと出かけた時にも気兼ねなくガンガン使えるんですよね。エクストレイルには3列シートの7人乗り仕様もあるので、友達や祖父母を乗せることが多いファミリーにもオススメです。

3)トヨタ・プリウス

 そしてここで、「SUVはちょっと苦手」というファミリーに推したいのが、トヨタ・プリウス。あまり子育て世代向けの印象はないかもしれませんが、じつはプリウスの荷室ってすごい実力なのです。容量502リットルは、CX-5に迫る大容量。リヤゲートがガバッと大きく開くので、ベビーカーもトランクケースもサッと積み込みやすいし、5人乗り状態でも奥行きがたっぷりで、フロアも低くて効率的に積めちゃいます。

 しかも、家庭用と同じAC100Vのコンセントが荷室と車内にあって、電化製品がそのまま使えるのも便利。1500WまでOKだからポットでお湯も沸かせるし、レジャーでも日常でもいろんな使い方が広がりますね。非常時給電システムも設定されているので、停電などで困ったときの備えとしても、プリウスは子育てファミリーに頼もしいクルマです。

4)フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーラン

 さて、このへんで輸入車からもオススメを。なかなか300万円以下で買えるモデルが少ない輸入車のなかで、こちらもちょっとギリギリですが、まずはフォルクスワーゲン・ゴルフトゥーラン。3列シートの7人乗りで、見た目はちょっとミニバンっぽさがあるものの、乗ってみるとゴルフがベースというだけあって、とても気持ちのいい走りと運転しやすさを兼ね備えています。

 室内は天井が高くて、2列目・3列目の座席も1人分ずつ均等に分けられているのがポイント。カーブなどでも身体がズレにくく、とても乗り心地が良いのです。クルマ酔いしやすい子どもも、トゥーランなら大丈夫かも。

 それに、オプションで用意されている「インテグレーテッドチャイルドシート(後席一体型チャイルドシート)」なら、座面を引き起こして専用のヘッドレストをつけるだけで、普段は大人用のシートが子ども用に早変わり。15kg〜36kgの子どもに対応しているので、お友達を乗せることが多いファミリーも、これがあると安心ですね。

5)シトロエンC3

 そして最後にもう1台、輸入車からのチョイスはシトロエンC3。こちらはこれまでのオススメとは違って、機能的に子育て世代向けというものは、とくについてないんです。ついてないんだけど、それでもオススメしちゃうのはやっぱり、日本車にはどうやっても真似できないデザインセンスや色使い、そして世界観。こういうクルマに幼いころから触れていたら、きっと感性が磨かれるんじゃないかな? と思うからです。

 ボディサイドにあしらわれたエアバンプもユニークだし、バイトーンルーフなどでボディ全体のカラーコーディネートはどれも大人っぽいセンスの良さ。インテリアにも、クラシカルな旅行鞄がモチーフという、美しい仕上げ縫いが施されたドアストラップなど、ほかにはない空間です。

 機能性に関しても、エアバンプが運転中の軽い接触からボディを保護してくれたりと、これまたユニーク。ボディサイズはクロスビーより全長・全幅がわずかに大きいC3なので、室内の広さはファミリーにも必要十分。荷室容量は300リットルで、工夫すればファミリーでも使える程度は確保されています。

 あ、1つ子どもに嬉しい装備がありました! それはルームミラーに標準装備されている、「コネクテッドカム」。ドライブ中の印象的なシーンや出来事をワンタッチで撮影できるもので、前方視界120度の写真や動画が保存可能。専用アプリでスマートフォンと連携して、SNSでシェアしたりといろんな楽しみ方ができるのです。何気ないドライブのひとときを、一生の思い出に。そんなクルマと過ごすのも、子育て世代だからこそ豊かな毎日につながるのかもしれないですね。

 さぁ、あなたはどんな毎日をお望みでしょうか? じっくり考えてピッタリのクルマを選んでみてくださいね。