信頼できるケアマネを見分ける5ポイント

写真拡大

■ケアマネの質によって、介護の満足度は大きく変わる

高齢の親ががんなど大病を患った場合や認知症を発症した場合、通常の介護費用のほかに医療費もかかるため、経済的な負担が大きい。お金があれば選択肢が広がり、公的なサービス以外のサポートも受けられる。身も蓋もないことを言うようだが、どんな人も早めに「貯蓄」という備えを持っておくべきだろう。

次に介護生活の明暗を分けるのが「情報」だ。お金に関して言えば、1カ月に一定額以上の介護サービス費を支払った場合、「高額介護サービス費制度」で払い戻しが受けられる。また、医療費もかかるのなら「高額医療・高額介護合算療養費制度」もある。さらに、治療中の薬を「ジェネリック」に変更すれば、それだけで2〜6割薬代を節約できる。もし親の病気が「特定疾病」「特定疾患」にあたれば、1カ月の医療費の自己負担が原則として1万円(収入によっては2万円)になる。親切に教えてくれる病院ばかりではないし、どれも手続きが必要なものばかりだ。情報収集が欠かせない。

介護生活を左右する重要な要素としては「ケアマネジャー(以下、ケアマネ)」の存在が挙げられる。ケアマネは、地域のどこでどんな介護サービスを受けられるかを熟知した「介護の道先案内人」。介護サービスの利用窓口となる居宅介護支援事業者に所属していて、面談などを通して担当者を選ぶパターンが一般的だ。担当のケアマネが決まれば、「自分で服の着脱ができるように」など、どんな目的で、どんな介護サービスを受けるかプランを立てていく。ケアマネの質によっては、介護の満足度が大きく変わるため、慎重に選びたい。

それでは、信頼できるケアマネの見分け方を紹介しよう。1つ目のポイントは、よく話を聞いてくれるか。残念ながら、ケアマネの中には、よく話も聞かずに「要介護度3ならこのプラン」と決めてかかる人もいる。そのほうが楽だからだ。優秀なケアマネは、話をよく聞き、それぞれに合ったプランを練る。こちらも、状況をきちんと伝える努力は必要だろう。

2つ目は経験年数だ。もちろん、経験が浅くても優秀なケアマネはいるが、介護サービスは地域によって大きく事情が異なるため、その地域でどれくらいの経験年数を積んでいるかは重要だ。情報豊富で、わかりやすい説明をしてくれるケアマネなら、安心して親を任せられる。

■看護師など医療分野に詳しいケアマネは頼りになる

3つ目は、所属する事業者のサービスを無理に勧めないこと。ケアマネは本来中立な立場でなくてはならないが、なかには営業マンのように所属する事業者のサービスをゴリ押しするケアマネも。そういった態度が見受けられたら、他を検討しよう。

4つ目は、出身資格だ。ケアマネジャー試験の受験資格は、保健、医療、福祉の専門業務、あるいは介護施設などで相談援助や介護業務に5年以上従事した人となっている。たとえば親ががんなどの大病を患っているなら、看護師など医療分野に詳しいケアマネのほうが何かと頼りになるはずだ。

そして最後は、人柄である。介護は日常生活やプライベートな部分にまで立ち入るものだ。合う・合わないがあるので、本人や家族との相性も見逃せない。

総合的に判断したつもりでも、うまくいかない場合はある。そんなときは、あまり我慢せずに変更を申し出るといいだろう。ケアマネはいつでも無料で変更できる。本人に言いづらければ、事業者に言えばいいし、別の事業者にケアマネの変更の相談をしてもいい。地域包括支援センターも相談に乗ってくれる。変更の際は、それによって介護の空白期間ができないようにだけ注意したい。

(CFP、一級FP技能士、消費生活専門相談員 黒田 尚子)