NTTデータとシャープは「ロボホン」で手話通訳

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 障がい者の日常的な生活を支える手段として、情報通信技術(ICT)が活躍している。ICTは手軽なコミュニケーション手段や短時間での情報収集など、生活を豊かにする存在として欠かせないものとなった。SI(システム構築)各社は障がい者に向けて、ICTを活用して支援する取り組みを始めている。

 インテックは、視覚障がい者の買い物を支援するツール「音声読み上げスキャナ」を開発した。専用ソフトをダウンロードしたスマートフォンを利用し、スマホのカメラ機能で店頭の商品を写すと、音声で商品名など商品情報を読み上げる。

 画面が見えなくても正しく撮影できるナビゲーション機能も搭載している。画像認識技術と、画面が見えなくても商品を写せる独自のフレームイン技術を活用した。

 今後は陳列棚までのナビや店内の障害物検知などと組み合わせて、買い物支援サービスとして実用化する予定。

 日立ソリューションズは色識別が困難な色覚障がい者向けにウェブサイトや資料、書類のデザインに一定の規定を設ける。ユーザーの体験をデザインする「UXデザイン」の専任部署があり、ウェブアクセシビリティー(利用しやすさ)の日本工業規格に準拠したアクセシビリティーのノウハウや、色覚障がい者でも困らないような操作画面、資料作りを支援している。「顧客企業の担当者からの声があり、2013年に設定した」(戦略技術部)という。

 また、子会社の日立ソリューションズ・クリエイト(東京都品川区)の音声合成技術を活用した文書音声化ソフトは、視覚障がい者の読書支援に一役買っている。ソフトは画面に文章を入力し、再生ボタンを押すと音声で読み上げる。デジタルデータ化した文章であれば、コピーして使える。言語は日本語、英語、中国語に対応する。

 元々は「エンターテインメント関連やカーナビゲーションに応用できるのではないか」(産業・流通システム事業部)と想定し、企業がビジネスに活用するためのソフトとして開発した。eラーニング資料の作成や電話の自動応答などで利用されている。現在までに1000社以上への導入実績がある。

 15年からは障がい者支援のツールとして利用が始まった。きっかけは、東京大学の先端科学技術研究センターが主催する教育支援活動にある。障害や病気のある学生への教育支援活動に賛同し、同ソフトを無償で提供した。視覚障害などで読むことが困難な学生に読書支援ツールとして提供し、現在でも継続的に利用されているという。

 このほか、ある企業の音声図書作成ソフトの音声作成機能としても組み込まれた。これにより読書困難者向け音声図書の制作者の作業を効率化する。さらに利便性を高めるため、より人の声に近くするなど音声合成技術の改良を検討している。

 一方、NTTデータとシャープは人工知能(AI)技術を活用し、聴覚障がい者を支援するソフトを開発した。ソフトを搭載したシャープのロボット型携帯電話「ロボホン」が手話通訳を行う。AI技術で聴覚障がい者の手話の動きを認識・分析し、手話の意味する単語を日本語で発する。

 また、発話した内容をスマホなどの他の端末にチャット形式で表示する。「企業の窓口対応など、手話通訳や手話教育で活用される」(AI&IoTビジネス部)ように早期の実用化を目指す。