財布を拾った少女に感謝する持ち主の男性(画像は『Metro 2018年2月13日付「Girl, 13, hands wallet in with £1,000 inside after finding it in the street」(Picture: ITV)』のスクリーンショット)

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落とし物を拾ったら警察もしくは持ち主のもとへ届けるという当たり前の行為が、残念ながら今では珍しくなってしまったのだろう。このほどイギリスで、およそ15万円が入った財布を路上で拾った女子中学生が正直に届け出たのだが、財布の持ち主が見つかる前に「自分の財布だ」と主張する5人の申告者が現れたという。英メディア『Metro』『Mirror』などが伝えている。

デヴォン州エクセターに住むケイトリン・ジェフリーさん(13歳)はある日、路上に財布が落ちているのを見つけた。中身を見ると1,000ポンド(約15万円)の現金が入っており、ケイトリンさんは近くの店に持って行き、事情を説明して財布を預けた。店主は警察に財布を届け、ケイトリンさんはなんとか持ち主を見つけようとしたが、唯一の手掛かりとなるのは財布の中に入っていた30代ぐらいの男性の写真のみだった。

その後、どこから情報を得たのか「自分が財布の持ち主」と主張する5人の人物が警察にやってきたのだ。そこで警察はソーシャルメディアを使って本当の持ち主を探したところ、80歳の年金受給者であるデニス・クラットワーシーさんのものであることが判明した。

ソーシャルメディアを通して20人以上から連絡をもらったデニスさんの息子マークさん(57歳)は、父親を連れて警察署を訪れた。財布の中にマークさんの古い名刺が入っていたことからデニスさんのものであることが確実となり、財布は中身ともども無事に持ち主のもとへ戻ることとなった。

ほぼ全盲で聴覚障がいもあるデニスさんは、銀行へ向かう途中に地元の精肉店へ立ち寄り、その時に財布を落としてしまったようだ。13日に拾い主であるケイトリンさんとテレビ番組『Good Morning Britain』で初めて顔を合わせたデニスさんは、このように感謝の言葉を述べた。

「財布を見つけても正直に届けてくれない人がいる中で、13歳のケイトリンは素晴らしい行いをしてくれました。財布が戻って来た時には涙が出ました。彼女にとても感謝しています。」

ケイトリンさんは「拾った時、財布が使い込まれた感じだったのできっとお年寄りが落としたんだろうと思い、なんとかして持ち主が見つかればいいなと思っていました。デニスさんのもとに無事に戻って良かった」と笑顔を見せた。

一緒に番組出演したマークさんは「父はケイトリンさんに50ポンド(約7,500円)のお礼を渡しました。彼女はマラウイへの修学旅行のために2,000ポンド(約30万円)を集めているようなので、そのお金は貯金するそうです。正直に届け出てくれたケイトリンさんのことをご両親はきっと誇りに思っていることでしょう」と話している。また、財布に入っていた写真はデニスさん自身の若い頃の写真であることも明かし「父が25歳〜30歳ぐらいの時のものです。自分の若い頃の写真を持ち歩く人はあまりいませんが、父は数少ない中のひとりのようです」と笑った。

このニュースを知った人からは、「最近はこういう正直な若者が少なくなっているから、つい大きなニュースになるんだろうね」「でも正直に届け出て偉いわ。親の育て方がいいんだよ」「嘘の申告をした奴は罰せられるべきだな。恥を知れ」「こういう行いは当然のものとなるべきなんだよね」といった声があがっている。

なお2016年8月には、タイのバンコクで20,000バーツ(約58,000円)の現金が入った財布を拾ったホームレス男性のニュースが伝えられた。落とし主の青年は正直に警察へ届けてくれたことに感激し、ホームレス男性に住居や仕事までも提供したという。

画像は『Metro 2018年2月13日付「Girl, 13, hands wallet in with £1,000 inside after finding it in the street」(Picture: ITV)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)