宇野昌磨と羽生結弦(写真:Getty Images)

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17日、平昌五輪のフィギュアスケート男子フリーが行われ、羽生結弦が冬季五輪2大会連続となる金メダルを獲得。五輪初出場の宇野昌磨も銀メダルを手にし、日本勢が1、2フィニッシュを決めた。するとテレビ朝日の五輪番組に羽生と宇野が生出演。スポーツキャスター・松岡修造氏と織田信成氏が聞き手となり、インタビューが行われた。

まずは羽生が演技直後に見せたガッツポーズについて。松岡氏から「なんていってるの?」と聞かれた羽生は、「多分『勝った』っていってます」と明かした他、自分の右足やリンクの氷に「ありがとう」などと伝えたという。

また、「勝ちたいという気持ちも強くありましたし、19歳の時にオリンピックを経験した時とまた違って自分の時間が限られているっていうのをちょっと感じていて、そういうことも含めて今回は勝たねばというのは思っていました」と胸中を述べた羽生は、「だからこそ自分自身に勝ち切れたと思ったのと、後は右足、最後の最後何とか耐えてくれたのでそういうことも含めて感謝ですね」と語った。

一方、2位が確定した瞬間も落ち着き払っていた宇野は、「僕は始まる前に全員の選手の演技を見ていて、どれくらいの点数でどれくらいの演技をしたら何位か大体わかっていた。多分こうかなって思っていたことだったので、あんまり驚きとは思わなかった」とアッサリ。最初のジャンプで転倒したことについても、「羽生選手がすごい高い点数を出して、僕が去年の世界選手権の点数を出したら1位になれると思って試合に挑んだんですけど、1本目のループを失敗した時点で『よし自分のことを頑張ろう』と思いました」と笑みを浮かべた。

さらに、大会直後の羽生が「魔物に助けられた」と発言したことについて質問が及ぶと、五輪王者は「今回のフリープログラムは特に4回転ループに挑戦しようと思っていて、若干難易度を下げた構成になっていた。ただ、その時に若干自分の中で緊張感が和らぎすぎちゃった部分がある」と前置きするや、「そういった意味では6分間練習でなかなかジャンプが決まらないっていうことによって緊張感が戻ってきて、最終的に背中をポンと押していただけたような感じがしました。緊張しなきゃっていうふうに思ってましたし、なんとか緊張したい、それを感じたいと思っていたので、それがうまく出てきてくれた」と説明した。

だが、五輪初出場の宇野は、俗にいう「魔物」の存在について「いやそんなに感じなかったです」とキッパリ。松岡氏から「どうしてですか?」と聞かれても、「みんなが『魔物』とか『オリンピックは特別』っていうので、どんなものなのかなと思っていたんですけど、最後まで何かわからなかった」といい、その大舞台でも乱れぬメンタルには松岡氏や羽生も「凄いですねぇ」と驚くしかなかった。